天使のいちご:来歴や特徴と産地や旬
●天使のいちごの由来や特徴
◆正式な品種名は「ももいろほっぺ8号 」
「天使のいちご」は株式会社つのたんIP((有) 角田ナーセリーのグループ会社)が家庭園芸用に栽培できる白イチゴの品種として、2010年から交配をはじめ2014年、露地栽培で選抜、2015年に種苗法に基づく品種登録を出願し2018年に品種登録されたもので、正式な登録品種名は「ももいろほっぺ8号 」といいます。
◆カネコ種苗から「天使のいちご®AE(エンジェルエイト)」として苗が販売
この「ももいろほっぺ8号 」はカネコ種苗との共同企画により2017年から「天使のいちご®AE(エンジェルエイト)」という名称でカネコ種苗より苗の販売が始められ、全国のいちご生産者や観光農園などに向けては生産許諾という形で 2018年から展開が始まっています。
◆天使のいちごの特徴
「天使のいちご」のイチゴはふっくらとした丸みのある形で、大きさは適切な摘果をすることで20~25gほどになります。
果皮色は白から桃白で、種が赤いのが特徴です。
果実はしっかりとしたやや硬めで、中の果肉はほぼ真っ白です。
甘みと酸味のバランスが良く香りも楽しめるイチゴと紹介されています。
また、本種はもともと家庭菜園向けに開発された品種という事で、家庭でのプランター栽培などでも栽培できるのも特徴の一つです。
◆品種登録データベースの記載内容
農林水産省による品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の大きさはやや大、果実の縦横比は同等、果実の形は円錐形、
果皮の色は桃白、果実の光沢の強弱は中、そう果の落ち込みは落ち込み小、
果実のがく片の付き方は水平、果径に対するがく片の大きさはやや小、
果実の硬さは中、果肉の色は白、果心の色は白、果実の空洞は無又は小、
季性は四季成りである。
出願品種「ももいろほっぺ8号」は、対照品種「ももいろほっぺ7号」と比較して、果皮の色が桃白であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた天使のいちごの食味
今回撮影・試食した「天使のいちご」は3月初旬に取り寄せた佐賀県産のものです。イチゴにショックを与えないよう工夫されたトレーに並んでいるイチゴはどれもつやつやでどれもいい状態で届きました。
形はふっくらとしていて、いくつかはとても綺麗なハート形でとても可愛らしいです。香りは白イチゴとしてはイチゴらしい香りも感じられます。大きさは20~25gでした。
食べてみると白イチゴにありがちなボケた感じの味わいではなく、そこそこ甘味もあり、それに対してバランスよく酸味も活きていて美味しいです。
試しに糖度を計ってみたところ10~12.4度でした。スーパーなどで売られている普通のイチゴと同じくらい糖度がある白イチゴということです。
●天使のいちごの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「天使のいちご」はカネコ種苗によって苗を入手できる態勢が整えられており、商業生産の場合も許諾制で扱えます。2019年の時点での生産者は全国に50件ほどとなっています。
さらに海外でもタイ・ベトナム・中国・韓国で生産されているとのことです。
ただ、一般的なイチゴに比べ生産者も収量も多くはなく、市場に出回る数はわずかで、高価なイチゴとなっています。
◆天使のいちごの収穫時期と旬
「天使のいちご」は家庭菜園でも栽培できるのも良い所です。マンションのベランダなどでも気軽に栽培でき、可愛いイチゴの収穫が楽しめます。苗の販売は3月上旬~4月下旬、9月下旬~10月下旬となっており、露地栽培での収穫は4月中旬~7月だそうです。
一方、市場に出回る「天使のいちご」はハウスによる促成栽培が行われ、1~4月に収穫されています。また、観光農園では5月頃までいちご狩りで楽しめます。
天使のいちご | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ハウス栽培もの | ||||||||||||
いちご狩り | ||||||||||||
家庭菜園の収穫 |
< 出 典 >
※ 「天使のいちご®AE(エンジェルエイト)」カネコ種苗株式会社ホームページ
※ 「天使のいちご」株式会社つのたんIPホームページ
※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ