パールホワイト:来歴や特徴と産地や旬

パールホワイト/イロハ-001<白いちご

●パールホワイトとは

◆登録品種名「イロハ-001」白いイチゴ

 パールホワイトは奈良県のイチゴ生産者でもある前田光樹氏が交配育成した白いイチゴ品種で、2013(平成25)年に登録出願公表され、2015(平成27)年に品種登録されています。正式な品種名は「イロハ-001」 となっており、「パールホワイト」は流通における商品名として付けられたものです。

パールホワイト/イロハ-001<白いちご

 2017年の時点で「パールホワイト」という名称は、白いちご「白い宝石」を育種、生産販売している佐賀県唐津市の手島靖仁氏によって商標登録されていましたが、その後2020(令和2)年に奈良県の杉崎保巳氏により出願され、2021(令和3)年に登録されています。

 前田氏の栽培施設内の様子が動画でご覧いただけます。 →

◆パールホワイトの特徴

 白いイチゴと言えば「初恋の香り」を皮切りに話題となり「淡雪」など何種か登場していますが、このパールホワイトはそれらの中でもひときわ白く、目を引きます。

 形はやや縦長の卵円形で表皮の色は白地に部分的に薄いピンクが差し、「淡雪」と比べると明らかにパールホワイトが白っぽく感じます。また、そう果が赤く、白地に赤いしずくが模様となって綺麗です。

パールホワイト/イロハ-001<白いちご

 断面も写真のように真っ白で、酸味が少なく香りが強いのも特徴。

2015年8月に登録された。「真珠(パール)の白さ」の名前の通り、白系統のさまざまなイチゴの中でも白さが際立つイチゴとして知られ、イチゴ表面に見える「痩果(そうか)」(つぶつぶの部分)だけが赤くなる。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『----- 果実の大きさは中、果実の縦横比は縦長、果実の形は卵円形、果皮の色は桃白、果実の光沢の強弱は中、そう果の落ち込みは落ち込み小、果実のがく片の付き方は上向き、果径に対するがく片の大きさはやや小、果実の硬さは硬、果肉の色は白、果心の色は白、果実の空洞は無又は小、季性は一季成りである。 -----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたパールホワイトの食味

パールホワイト/イロハ-001<白いちご

 今回入手したものは奈良県産のやや小粒の物でした。

 パールホワイトは白と赤のコントラストが効いていてとても綺麗でかわいらしく見えました。しかし、他の白いちご同様美味しそうかと聞かれると正直なところ、いちごは全体に赤くなっていないと美味しくないという固定観念があり・・・という感じ。

 ところが、パックを開ける前からイチゴの甘い香りがとても強く、食べてみると思いのほか甘く感じました。糖度的にはそれほど高くはないようですが、酸味が少ない分甘く感じられるのでしょう。白いいちごの中では美味しく、スーパーで安く売られている頭がまだ赤くなっていないイチゴよりずっと美味しく感じました。

●パールホワイトの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

パックのパールホワイト/イロハ-001<白いちご

 パールホワイトは奈良県で誕生した品種で、現在も奈良県を中心に栽培されています。『希少性を守るため、栽培を認められているのは県内に6農家しかない。』(毎日新聞2018年2月11日)とされ、JAならけんでの取り扱いも2017年に始まったばかりで市場に出荷される数は限られ、価格が高く維持されています。

 奈良県以外では2018年2月現在、以下の地域、農園でも「パールホワイト」を生産しているようだ。

佐賀県白石町

静岡県掛川市の鈴木農園

岐阜県山県市のやまがたいちご楽園 雅

◆収穫時期と旬

 パールホワイトは12月中旬頃から収穫が始まり、4月いっぱい位まで続きます。収穫のピークは2月から3月にかけてとなります。

旬のカレンダー

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
パールホワイト                        

●白イチゴいろいろ


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