■南水(なんすい)とは?

 「南水」は長野県が「越後」に「新水」を交配し育成した果実の形が扁円形で、果重360g程で育成地において9月末から10月上旬に成熟する赤ナシで、同じ時に同じ交配親から育成された青ナシの「南月」とは姉妹品種となります。

●新水と越後の交配種

南水とあきづき よく似ています

 「南水」は長野県南信農業試験場において、1973(昭和48)年に黒斑病や黒星病に耐病性をもつ大玉の赤ナシ「越後」に、甘味と酸味のバランスのとれた味の良いやや小玉の赤ナシ「新水」とを交配し、得られた実生から選抜・育成され、1990年(平成2年)に品種登録された品種です。同じ時に同じ交配親から選抜育成され1997(平成8)年に品種登録された「南月」とは姉妹品種となります。

 赤梨の中生種にあたり、9月下旬から収穫が始まります。長野県生まれという事もあり、ほとんどは長野県で作られています。

 「南水」の名前は当初、南信農業試験場の「南」と新水の「水」から付けられたそうです。また、「新水」や「豊水」と並ぶ梨になってほしいという期待も込められているとのこと。

●南水(なんすい)の特徴

 「南水」の果実は360g前後で、少し扁平な形をしています。果皮の色は赤梨らしい黄赤褐で、表面には密に果点がありますが、触った感じはそれほどざらついてはいません。

 果肉は乳白色で果汁が多く、14~15度と糖度が高くなるのに対し酸味は少ない品種です。

南水梨/なんすいなし/ナンスイ<赤梨

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『---------

 果実の形は扁円、こうあの深さ及び広さは中、ていあの深さ及び広さは中、有てい果の有無は混在、

 果実の大きさは中(360g程度)、

 果皮の色は黄赤褐、果点の大きさは中、果点の密度はやや密、果面の粗滑は滑である。

 果梗の長さはやや短、太さは中、肉梗の有無は無、果心の形は短紡錘、大きさは中、心室の数は中である。

 果肉の色は白、果肉の硬さはやや軟、果肉の粗密は中、甘味は多、酸味はやや少、香気は極めて少、果汁は多、種子の数は多である。

 成熟期はやや晩であり、育成地において9月末~10月上旬で、「新星」とほぼ同時期である。芯腐れ、みつ症状及び裂果は無、果実の貯蔵性はやや長である。

---------』以上抜粋。

◆実際に食べてみた食味

南水梨/なんすいなし/ナンスイ<赤梨

 今回(2017年)入手したものは長野県産のもので、果肉は白く、切ると断面から果汁が滴るジューシーさがありました。

 サクッとした歯ざわりで、甘みが口に広がり、酸味があまり無い分甘く感じられました。とにかく甘い梨がお好きな方にはお勧めです。

●主な産地と旬

◆主な産地と生産量

南水梨/なんすいなしの栽培面積

 南水は長野県生まれということもあり、主な産地は長野県です。政府がまとめた令和2年産の栽培面積で見ると、長野県が全国の約77%を占めています。

◆南水の収穫時期と旬

 南水の収穫は長野県では9月下旬頃から10月上旬にかけてとなっており、食べ頃の旬もその時期となります。

品種 8月 9月 10月 11月
南水                        

< 出 典 >

 ※ 「南信農業試験場がこれまでに育成した品種」長野県ホームページ

 ※ 「ニホンナシ「南水」の生い立ち」試験場だより 令和元年8月号(515号)南信農業試験場

 ※ 「登録番号2293 南水」 農林水産省品種登録データベース

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