白露(はくろ):来歴や特徴と産地や旬
●白露(はくろ)とは
◆白露の来歴
「白露(はくろ)」は岡山県農林水産総合センターが「清水白桃」を自然交配で改良した品種で、2014年に岡山県によって「岡山PEH7号」とともに「岡山PEH8号」として登録出願、2016年に両種同時に品種登録されています。
その翌年2017年に本種「岡山PEH8号」は「白露(はくろ)」、「岡山PEH7号」を「白皇(はくおう)」という名称で商標名が登録されました。
「白露(はくろ)」という名称は収穫期が二十四節気の「白露」に当たる9月上旬で、したたる露のように果汁が多いという特徴に因んでいるそうです。
岡山県は「白皇」及び「白露」を2015年から赤磐市や岡山市、倉敷市など県南部を中心に約1000本の栽培が始められている。その後2019年には岡山県全体で約2,000本に増え8月に初出荷されています。
◆白露の特徴
「白露」の外見や果肉のおおきな特徴は下記のとおりです。
1.収穫時期が9月上旬とごく晩成であること。
2.果重400g(撮影したものは430~440g)ほどと大玉であること。
3.糖度は15度ほどと甘く、果肉は白くて柔らかく、果汁が多いこと。
4.果皮が着色しにくく熟しても緑白に仕上げられること。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の大きさは極大、果実の形は扁円形、果頂部の形は広浅凹、果実の対称性は対称、縫合線の強弱は中、梗あの幅はやや広、
果実の地色は緑白、果実の着色の型はぼかし状、果実の着色面積は無又は極小、
果実の毛じの粗密は密、果皮の厚さは中、果皮の付着性は中、
果肉の硬さは軟、果肉の地色は乳白、果肉のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、核の周辺のアントシアニン着色の強弱は弱、
果肉の肉質は非繊維質、果実の甘味は極高、
核の大きさは中、核の横面の形は倒卵形、核の褐色の濃淡はやや濃、核の表面の紋様は点・条、核割れの多少は無又は極低、
核と果肉の粘離の有無は有、核と果肉の粘離の強弱は強、
収穫期は極晩である。
出願品種「岡山PEH8号」は、対照品種「新白麗」と比較して、果実の大きさが極大であること、果実の地色が緑白であること、果実の着色面積が無又は極小であること等で区別性が認められる。
対照品種「初秋白桃」と比較して、果実の地色が緑白であること、果実の着色面積が無又は極小であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた白露の食味
今回入手したものは2019年9月4日に岡山県和気の直売所に出荷されたものです。
印象的なのは果皮の色がほぼ着色せず緑っぽいことと、それでいて果実を半分に切った時に滴る果汁の多さです。
一見、ぜんぜん未熟なんじゃないかと思わせる色ですが、果肉は適度に柔らかく、甘みもしっかりとありました。
皮は手ではむけない感じで、果肉の食感は舌触りがなめらかで甘みのおくにほんのり酸味もあり、さっぱりとした味わいでした。
●白露(はくろ)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「白露」は岡山県が開発したオリジナル品種として、同県内でのみの栽培が認められています。
農林水産省がまとめている平成28年産特産果樹生産動態等調査にはなぜは長野県に5haとなっていますが、岡山県の農業研究所に確認したところ何かの間違いだろうとのことでした。
岡山県内でも登場したばかりの新品種という事もあって栽培面積はまだ少なく、今後注目したい品種です。
◆白露の収穫時期と旬
白露の成熟期は岡山県で9月上旬となっており、収穫時期は天候等によって多少前後はすると思いますが9月初旬ごとから中旬にかけてです。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
白露 |