●古都姫(ことひめ)とは
「古都姫(ことひめ)」は奈良県の大村佳伊人氏によって「古都華」と「珠姫」の交配によって育成され、2021年に新品種として登録出願されている品種です。
◆古都姫(ことひめ)の来歴
「古都姫(ことひめ)」は奈良県内で”トップベリー”という生産者集団を率いる大村佳伊人氏が育成し、「コットンベリー」、「小雪」とともに2021年4月に新品種として登録出願されたイチゴです。
交配親に用いられたのは、奈良県が育成し2011年に品種登録された、果肉が硬く、甘味が強く濃厚な味わいが特徴の「古都華」と、同じく奈良県が育成し2019年に登録出願されている、果肉が硬く大粒で酸味が少ないのが特徴の「珠姫」です。
まだ品種登録には至っていませんが、トップベリーに参加している少数の生産者により高いクオリティーのブランドイチゴとして2021年から出荷が始まっています。
◆古都姫(ことひめ)の特徴
「古都姫」の果実は交配親である「古都華」の濃厚な味わいと、「珠姫」の大粒になる特徴や穏やかな酸味、それに両者に共通するしっかりとした硬めの果肉という良いとこどりをしたような特徴を持っています。
果形や表皮の色は「珠姫」によく似ており、型が丸い楕円形で、果皮色はややオレンジ系の赤です。肉色も「古都華」ほど赤くはなく、「珠姫」に近い色合いです。
農林水産省の品種登録データベースには2024年3月現在、まだ検定中で登録されていないため特性の記載はありません。
◆実際に食べてみた古都姫(ことひめ)の食味
撮影試食した「古都姫」は2024年3月2日に奈良県のイオン橿原店で購入したもので、9粒入りで1,980円(税別)でした。イチゴのコーナーには「古都華」が幅を利かせている中、「古都姫」は2パックだけ並んでいました。
イチゴはなで肩の円錐形で、ヘタの付け根までしっかりと赤く着色し、果面は艶がありとても綺麗なイチゴです。
切ってみると中の肉色は果芯部は白に近い桃色で、外側はオレンジがかった淡い色が付いています。
食べてみると果肉は結構固く、柔らかくジューシーという感じではなくアメリカから輸入されているイチゴに近い食感ですが、甘味が強く、そしてコクがあります。これだけ果肉がしっかりとしていれば輸送性はかなり高く、海外への輸出にも十分耐えられると思います。
このイチゴはこの硬さに驚き、そしてコクのある強い甘さに驚きました。硬さは好みによってはマイナス面にもなりますが、輸送性の面では大きな強みとなります。ちなみに今回のイチゴの糖度は16%前後もありました。
●古都姫(ことひめ)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「古都姫」は大村佳伊人氏率いる奈良県内の”トップベリー”という数名の生産者集団だけが作っており、その出荷量はわずかです。
大村氏によると、今後もトップベリーの生産者を増やす事はないと明言されているようで、生産量は現在の生産者(3名)が栽培面積を増やさない限り増えないという事になります。これは市場価格を高く維持するためのブランド戦略の一環で、奈良で限られたトップクラスの生産者だけが作る高いクオリティーの希少なイチゴとなっています。
< 出 典 >
※ 「自ら生み出した新品種でイチゴ戦国時代を勝ち抜く」マイナビ農業
※ 「出願番号 35377」 農林水産省品種登録データベース
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