ホワイトココ／沖農P19：来歴や特徴と産地や旬

●ホワイトココ・パインとは

　「ホワイトココ」は沖縄県が「ゆがふ」に「ソフトタッチ」を交配し、得られた実生から選抜育成した、果肉が白く糖度16度以上でココナツのような香りが特徴のパイナップル新品種です。

◆ホワイトココ・パインの来歴

　「ホワイトココ」は沖縄県が育成し、2021年に品種登録されたパイナップル新品種「沖農P19」の登録商標です。「沖農P19」の育成の過程は下記のとおりです。

2000年　沖縄県農業試験場名護支場（現 沖縄県農業研究センター名護支所）において「ゆがふ」に「ソフトタッチ」を交雑し、得られた実生を養生。

2003 年　実生から第 1 次選抜。その後2～4 次選抜実施。

2008 年　「沖縄 19 号」として、名護および石垣において地域適応性の検討を開始。

2019年　種苗法に基づき、「沖縄 19 号」として登録出願。

2020年「ホワイトココ」という商標を登録出願。

2021年　商標の登録及び品種登録完了。

2022年　5月沖縄県農林水産部より公表、正式にデビュー。

　「ホワイトココ」という名称は白い果肉と、甘いココナツのような香りに因み県内外の一般消費者への好感度調査などを踏まえ決められたそうです。

◆ホワイトココ・パインの特徴

　「ホワイトココ」の果実は卵型で、自然夏実の平均果実重は 1.3kg以上、株出し 体系の2回目収穫果も１.0kg を超える。

　果肉は比較的白く、糖度は16％以上になり酸度は 0.63～0.64％と少なめです。甘いココナッツのような芳香を持つのが特徴となっています。

　果肉の歩留まりは重量比 55％で「N67-10」と同程度となっています。

　農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

　果実の形は卵形、果実の色は黄、果実の大きさは中、果肉の色は黄白、果肉の硬さは軟、果汁の多少は中、果肉の酸味はやや低、果肉の甘味は高である。　 　

　対照品種「N67-10」と比較して、えい芽の発生数が多であること、果肉の色が黄白であること等で区別性が認められる。

　対照品種「沖農P17」と比較して、葉の長さが長であること、葉のとげの有無が有であること、えい芽の発生数が多であること、果肉の色が黄白であること等で区別性が認められる。

　対照品種「サマーゴールド」と比較して、葉のとげの有無が有であること、果肉の色が黄白であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたホワイトココ・パインの食味

　撮影試食した「ホワイトココ」は7月上旬に届いた、果重1.2キロほどのものです。

　外皮の色は上部に緑が残っていますが、下の方は黄色く着色しています。正に松ぼっくりのような外見です。

　縦半分に切ってみると、特徴にある通り果肉は白っぽく、一般的なパイナップルであれば、まだ未熟なのでは？という色合いです。

　切った感触は柔らかく、ナイフが抵抗なくスッと入っていく感じでした。

　食べてみると、白い色からのイメージとは違い強い甘みが広がりました。そして、確かに、普通のパイナップルとは違ったココナツのような？香りが鼻から抜けていきます。

　結構甘いのですが、上質の台湾パインに感じられる蜜のような甘さではなく、甘いけど後口はすっきりした感じで、これはこれでとても美味しいです。計った糖度は上部の首近くでも16.1％あり、それ以外では17.5％以上、真ん中あたりは19.5％もありました。

●ホワイトココ・パインの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

　「ホワイトココ」は沖縄県内の本島をはじめその周辺や先島諸島で作られています。ただ、2023年の時点ではまだ登録されたばかりの新しい品種なので生産量は少なく、価格も高めとなっています。

◆ホワイトココ・パインの収穫時期と旬

　「ホワイトココ」の収穫時期は沖縄本島及び周辺離島地域では露地物が６～９月、ハウス物は５～７月、そして石垣島など先島地域では５～８月となっています。

品種	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
ホワイトココ・パイン

＜ 出　典 ＞

　※　「大玉で食味が良い生食用パインアップル新品種「沖農 P19」」沖縄県農業研究センター普及成果情報

　※　「パインアップル新品種「沖農P19」を育成！ブランド名は「ホワイトココ®」！」くゎっちーおきなわ 沖縄県

　※　「登録番号28709　沖農 P19」　農林水産省品種登録データベース