■まりひめとは?
「まりひめ」は和歌山県が「章姫」に「さちのか」の花粉を交配し、得られた実生から選抜育成した、「さちのか」より早く収穫が始めれ有れ、果実が縦長の円錐形で食味が良い、いちごオリジナル品種です。
●和歌山県のオリジナル品種
まりひめは和歌山県が開発したオリジナル品種です。イチゴ市場の近年の傾向として、より早い時期に出荷が求められるようになっています。和歌山県ではこれまで「さちのか」を中心に栽培されていましたが、「さちのか」は収穫が始められる時期が遅く、それに代わる早生種の必要性が高まっていました。
そこで、県が主導となって開発が行われ、2003(平成15)年に、「章姫」を子房親とし、そこに花粉親として「さちのか」を交配てできた実生から選抜育成し、新しいオリジナル品種が生み出されました。これが「まりひめ」です。2008(平成20)年3月品種登録出願、2010(平成22)年3月品種登録されました。
名称は和歌山県の郷土工芸品「紀州手まり」のように親しまれるようにという意味がこめられているそうです。
●まりひめの特徴
果実の形は章姫ゆずりの縦長の円錐形で粒揃いがよく、比較的大き目のものが多く収穫できるようです。
そう果の窪みはやや浅めでそう果の色は黄色から赤です。
果皮の色はやや明るい鮮赤で、ガクの下も含め全体によく色付いています。
果肉は固めで、「章姫」と「さちのか」の中間くらいとされ、色は中心部分が薄い橙赤で、まわりは結構濃い赤色をしています。果心の空洞は小さめです。
味は、酸味よりも甘味が強く、口に含むと濃厚な甘さが広がる感じで、いい香りが鼻に抜けていき、とても美味しいです。この香りの強さもこの品種の特徴のようです。果肉の色も濃く、形が揃っているので菓子の材料にも使いやすい品種といえます。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の縦横比は縦長、果実の大きさは大、果形は円錐、
果皮の色は鮮赤、果実の光沢は中、そう果の落ち込みは落ち込み小、
がく片の着き方は離、果径に対するがく片の大きさはやや大、
果実の硬さは硬、果肉色は鮮紅、果心の色は淡赤、果実の空洞は中、季性は一季成りである。
出願品種「まりひめ」は、対照品種「章姫」と比較して、果実の硬さが硬であること、果心の色が淡赤であること、果実の空洞が中であること等で区別性が認められる。
対照品種「さちのか」と比較して、頂小葉の基部の形が鋭角であること、果実の大きさが大であること、成熟期が早であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
■まりひめの主な産地と旬
●主な産地と生産量
まりひめは和歌山県のオリジナル品種として、県内でのみ栽培されています。本格的に栽培出荷が始まったのが2011年頃からで、2022年現在も生産量は増えつつあるようですが、他府県での流通量はまだまだ少なくあまり見かけることはありません。
和歌山県のホームページによると、令和2年の時点で199戸が17.8ヘクタールのハウスで栽培していると紹介されています。
●まりひめの収穫時期と旬
まりひめは「さちのか」と比較して、収穫開始が2週間以上早い12月上旬からとなっています。食べ頃の旬の時期は1月~3月となります。
収穫開始時期は12月上旬で「さちのか」に比べて2週間以上早い
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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まりひめ |
出 典
※ 「まりひめ 和歌山県オリジナルいちご品種」和歌山県ホームページ
※ 「登録No.19473 まりひめ」品種登録データベース 農林水産省
※ 「和歌山県オリジナルイチゴ「まりひめ」の開発」和歌山県農業試験場ニュース 2008年7月
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