●長門ゆずきちとは
「長門ゆずきち」はスダチやカボスと同じ香酸柑橘の一種で、山口県で江戸時代から栽培されていた伝統的な柑橘です。ゴルフボールより少し大きいくらいの果実は、爽やかな香りとまろやかな酸味があり、魚料理や鍋料理、ドレッシングなど色々な料理に適しています。
◆長門ゆずきちの来歴
「長門ゆずきち」は山口県の旧田万川町(現萩市)が原産とされる香酸柑橘の一種で、1770年代ごろの江戸時代から庭先果樹として栽培されていたと考えられています。
かつては「柚吉(ゆずきち)」とも呼ばれる「宇樹橘(うじゅきつ)」と 同一種と考えられていましたが、1967(昭和42)年、元静岡県の柑橘試験場長であった田中論一郎博士の鑑定により「柚吉」とは別種であると認定され、「長門ゆずきち」と命名されました。
昭和40年代になり、それまで主要産物だった「夏みかん」にかわる柑橘として注目され、田万川町で本格的に栽培されるようになり、平成10年代には長門市俵山地区や下関市豊北町田耕地区にも栽培が広がり、「長門ゆずきちの会」が結成され、2007(平成19)年には産地の長門市、下関市、萩市と3農協により「長門ゆずきち」として地域団体商標を登録し、地域ブランドとしての定着を目指しています。
◆長門ゆずきちの特徴
「長門ゆずきち」は「カボス」や「スダチ」の近縁種で、果実は直径4~5cmほどでゴルフボールより少し大きいくらいの球形です。
果皮色は9~10月辺りまではグリーンで、11月に入ると黄色く着色し大きさも5cmを超えるくらいになります。
外見はスダチとカボスの中間といった感じで、果皮は薄く、搾汁率が20~30%と果汁が多いのも特徴で、9月下旬には40%までになるそうです。
爽やかな香りとまろやかな酸味が持ち味です。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
◆実際に食べてみた長門ゆずきちの食味
撮影試食した「長門ゆずきち」は9月中旬に入手した4個入りパックで、部分的に黄色くなっているものもありました。
個体や鮮度などによって違いがあるとは思いますが、今回のものに関しては、香りは比較的穏やかでスダチほど強くはありませんが、爽やかで心地よい香りです。酸味も刺すような感じではなく、甘味も少し感じられややマイルドな味わいでした。
●長門ゆずきちの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「長門ゆずきち」は、山口県の長門市、萩市、下関市で作られており、令和2年産特産果樹生産動態等調査によると2020年産の栽培面積は6.1ha、収穫量は32.3トンとなっています。
長門ゆずきちの苗木は一般にも販売されており、家庭菜園や庭木としても栽培することができます。
◆長門ゆずきちの収穫時期と旬
長門ゆずきちの収穫時期はカボスやスダチより少し早く、8月中旬頃から始まり、11月頃まで続きます。
果皮が青々としたグリーンのものは9月中旬ぐらいまでで、その後徐々に黄色い部分が大きなり、11月には全体に黄色くなります。食味的に良い状態は10月上旬辺りまでとなります。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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長門ゆずきち |
< 出 典 >
※ 「長門ゆずきち」ながと物産合同会社
※ 「登録番号 第5088770号 長門ゆずきち」 特許情報プラットフォーム 特許庁
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