●夏かんろとは

 「夏かんろ」は高橋忠吉氏が福島県の自園で「あかつき」から選抜した、7月下旬に成熟する果重300gほどの「大玉早生あかつき」です。生産者が少なくスーパーなどには並ばない品種ですが、食味は「あかつき」と同じでとても美味しい桃です。

◆夏かんろの来歴

夏かんろ 桃

 「夏かんろ」は福島県月舘町の高橋忠吉氏が自園で発見した早生系の「あかつき」より選抜育成された「大玉早生あかつき」です。

 高橋忠吉氏は桃の育種家として知られ、これまで「ゆめかおり」「シーエックス」「優香の夢」「黄美のハート」「スイートビーナス(ネクタリン))」など15品種を生み出され、2022年には全国新品種育成者の会「育種功労賞」を受賞されています。

 「夏かんろ」という名称は苗木を販売する株式会社イシドウが
平成14(2002)年に出願し、平成15(2003)年 4月に登録された商標で、同社が本種の販売を担っています。

 スーパーなどにはほとんど並ばない珍しい品種ですが、食味は「あかつき」と同じでとても美味しい桃です。

◆夏かんろの特徴

 桃は木が若いうちは小玉傾向がありますが、「夏かんろ」は木が若いうちから比較的大玉になり、果重は200~300gで、果形は円~扁円形です。

夏かんろ 桃

 果形や果皮の着色具合、果肉の肉質や食味は「あかつき」をそのまま受け継いでいるといった桃です。

 並んでいる二つの「夏かんろ」は200gほどの小さいものと340gの大玉です。

夏かんろ 桃

 株式会社イシドウのには以下の通り記載されています。

『-----

果重は300g、暁星と比べて若木のうちから果実が大きく下枝でも大きくなる。果形は円~扁円形であかつきに似る。果皮はあかつきに似て全面濃紅色に着色する。肉質は緻密で果汁多く、甘味が強く微酸で、食味は「あかつき」に似て良好である。裂果は無く日持性も「あかつき」と同様に良好である。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた夏かんろの食味

 撮影試食した「夏かんろ」は8月11日に届いた山形県東根市産9個入り/箱で、果実重200gほどの小さい物から340gある大きなものまで入っていました。

夏かんろ 桃 夏かんろ 桃

 果実はどれも綺麗な円形で、縫合線の左右の大きさにあまり差がなく、核割れ果もなさそうでした。

 果皮はどれも全体に赤く着色し、斑な模様がみられます。白い果点は無いかあっても極わずかでした。

 切ってみると、果肉はやや硬く、皮も手で剥ける感じはありません。

 食べてみると、硬そうな果肉は意外に食感としては心地良く、果汁感もあって、緻密な肉質は舌触りもすごく良いです。そしてとても甘い桃でした。計った糖度は15.2~17.5%もありました。

●夏かんろの主な産地と旬

夏かんろ 桃

◆主な産地と生産量

 「夏かんろ」は「あかつき」の早生版的な品種でメジャーではなく、栽培している生産者は少ないです。2020年産特産果樹生産動態等調査には記録がなく実際の栽培面積などは不明ですが、主な産地は福島県や山形県などです。

◆夏かんろの収穫時期と旬

 「夏かんろ」の収穫は「あかつき」より7~10日早く、「あかつき」の枝変わり早生品種の「暁星」と同時期かやや早い7月下旬から8月上旬にかけてとなっています。

品種 6月 7月 8月 9月
夏かんろ                        

< 出 典 >

 ※ 「夏かんろ NATSUKANRO」 株式会社イシドウホームページ

 ※ 「登録番号 第4663587号 夏かんろ」 特許情報プラットフォーム 特許庁

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