竜宝/りゅうほう/リュウホウ 来歴や特徴と産地と旬

竜宝/りゅうほう/リュウホウ

■竜宝(りゅうほう)とは?

●「紅瑞宝(井川665号)」や「紅富士(井川667号)」の兄弟

竜宝/りゅうほう/リュウホウ < ぶどう

 「竜宝(りゅうほう)」は、「ピオーネ」の生みの親として知られる井川秀雄氏が「ゴールデンマスカット4X」と「クロシオ」の交雑から生み出した「井川668号」と呼ばれていた品種で、「紅瑞宝(井川665号)」や「紅富士(井川667号)」の兄弟にあたります。

 この品種を山梨県南巨摩郡竜王町の竜王町農協がこれを譲り受け、1980年3月に「竜宝(りゅうほう)」として品種登録されました。

 脱粒しやすく、市場にはほとんど出回りませんが、美味しい大粒の赤ぶどうとして観光農園では人気がある品種で、直売所などで販売されています。

●竜宝(りゅうほう)の特徴

竜宝/りゅうほう/リュウホウ < ぶどう

 「竜宝」の果房は整った円錐形にならないものが多く、見た目はあまり美しい形はしていません。また、皮が柔らかく果粒が果梗から落ちやすい傾向にあるので注意が必要です。

 果粒は円に近い短楕円形で「巨峰」程の大きさになります。果皮の色は赤褐色から鮮紅色で美しく、やや厚みがあるので、皮ごと食べる事は難しいです。


竜宝/りゅうほう/リュウホウ

 果肉は崩解性でとても柔らかく、とてもジューシーで、果皮と果肉がつるっと剥けるので「デラウエア」を大粒にしたような感じがします。その為、手で皮を剥こうとすると果汁が垂れてしまい身痩せした感じになってしまいます。甘味が強く、適度な酸味と強いフォクシー香が口に広がります。

『- - - - - - -

竜宝/りゅうほう/リュウホウ

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

 粒着はやや粗である。

 果粒は短楕円形で非常に大きい。

 果皮の色は赤褐色で、熟度が進むと赤紫色になる。

 果皮の厚さは中、

 果肉は崩解性で柔らかく、甘味は高、酸味は少で多汁、果皮と果肉の分離は容易であり、フォクシー香が強い。

 裂果性は中位で、小果梗周辺の果皮が破れ落果し易い。

- - - - - - -』以上抜粋。

■竜宝(りゅうほう)の主な産地と旬

●主な産地

竜宝/りゅうほう/リュウホウ

 政府がまとめた2020(令和2)年産特産果樹生産動態等調査によると、竜宝の栽培面積は見ると滋賀県が4.2haで最も広く、次いで神奈川県3.1ha、鹿児島県1.4haとなっています。この10年前の2010(平成22)年産の時点では滋賀県4.4ha、宮崎県4.3ha、徳島県2ha、鹿児島県2haとなっていました。

 主に観光農園で栽培され、ぶどう狩りや直売所などで地元消費されています。ぶどう全体から見ると極限られた面積となっています。

●収穫時期と旬

 「竜宝」の熟期は8月中旬~下旬にかけて成熟する早生種とされ、ぶどうの中でも早い時期に収穫期を迎えます。出盛りの旬は産地にもより、鹿児島や宮崎では7月、滋賀県では8月中旬頃から下旬となります。

旬のカレンダー 7月 8月 9月 10月
竜宝(りゅうほう)                        

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