■日川白鳳(ひかわはくほう)とは?

●日川白鳳(ひかわはくほう)の来歴

 日川白鳳(ひかわはくほう)は山梨県山梨市の田草川利幸氏によって発見された「白鳳」の枝変わり早生品種で、1979年に品種登録の出願が出され、1981年5月に登録されました。

 それ以後高品質の早生品種として栽培が広がり、現在では桃の中で「あかつき」「川中島白桃」「白鳳」に次ぐ4番目に広く栽培されています。

●日川白鳳(ひかわはくほう)の特徴

 果実の大きさは、200~250g程で、美しい丸い形をしています。表皮の縞模様は不鮮明で、全体に赤く色付きやすく、熟すとやや黒ずんだ赤色になります。

 果肉は非常にジューシーで、かぶりつくと果汁がぼたぼたと滴ります。酸味が少ないので11~13%の糖度ではありますが甘く感じられます。

日川白鳳<大糖領>の断面

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。(画像は当サイトで撮影したもの)

日川白鳳(ひかわはくほう)>桃の品種

『-----

 甘味は中で糖度は12度前後、着色は容易で着色範囲は広く、濃度は濃、全面にわたり、縞は不鮮明で、着色が進むと果面は暗赤色となる。

 核は「サマーエース」「白鳳」「倉方早生」に比較して厚さが薄く、だ円形で、核翼束も薄い。

 果形は扁円、大きさは中一大、200~250g程度。果皮の地色は黄白色で、色素の発現は容易で前面に着色の範囲は広い。縞

 模様は不鮮明で、着色が進むと果頂部は暗赤色となる。

 着色濃度は濃、毛じの密度は中、果皮の剥離性は中、裂果は少、果肉は乳白色、果肉は乳白色、果肉内の着色は少、核周囲は着色しない。

 肉質は溶質で繊維は少、硬さは中、果汁多く、甘味は中、渋味は無、酸味は中、香気は少、核は粘核で割れは多、核の形は短だ円形、大きさは中、厚さは薄く、核翼束は薄い。

 上肩部の核翼の揃いは比較的良好である。

-----』 以上、抜粋。

●日川白鳳(ひかわはくほう)の食味

 2022年に撮影試食した日川白鳳は6月下旬に購入した山梨県笛吹産で「大糖領」という最上位のグレードとして販売されていたものです。

日川白鳳<大糖領>の断面 日川白鳳<大糖領>の糖度

 「大糖領」というランク付けをしているのは山梨県のJAふえふきで、JAふえふき御坂統合共選所に集荷されたおよそ600軒の生産者の桃を一つ一つ人の目と光センサーを通してランクごとに分けられるのですが、その中の外見が良く糖度が12度以上のものが「大糖領」というブランドで出荷されます。

 食べてみると、桃は丁度食べ頃に熟しており、断面から滴る果汁からもジューシーさが伝わると思います。

 舌にわずかに繊維感が感じつつ溶けるようにほぐれていく食感は白鳳系ならでは。甘味も十分にありました。計った糖度は13.7~14.1度ありました。

■日川白鳳(ひかわはくほう)の主な産地と旬

●全国の日川白鳳の栽培面積

全国の日川白鳳の栽培面積

 政府がまとめた平成30年産の日川白鳳の栽培面積です。日川白鳳は全国で788.2haで栽培され、桃全体では川中島白桃や白鳳に次いで4番目に多く作られ、全体の約1割を占めている品種です。

 主な産地は山梨県で、全国の半分強を生産しています。次いで和歌山県、福島県、香川県となっています。

●収穫時期と旬

 日川白鳳(ひかわはくほう)は早生白鳳で、露地物はちよひめなどの早生種桃が出始めて間もなく6月下旬頃から7月上旬あたりに収穫されます。食べ頃の旬は6月下旬から7月となります。

 ただ、日川白鳳はハウス栽培も行わてており、そうしたものは5月下旬から6月上旬にかけて収穫され市場に出回ります。

日川白鳳 5月 6月 7月 8月
ハウス物                        
露地栽培物                        

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