白麗(はくれい):来歴や特徴と産地や旬
●白麗(はくれい)とは
◆白麗の来歴
「白麗」は岡山県笠岡市の東山四郎氏が1968(昭和43)年に「大久保」に中国原産の「肥城桃」を交配して得られた実生3系統が、東山氏と共同研究をしていた赤磐郡瀬戸町(現 岡山市東区瀬戸町)の井上航一氏が同じ組み合わせで交配した5系統とともに岡山県立農業試験場(現 岡山県農業総合センター農業試験場)で選抜試験を経て、最終的に選ばれた東山四郎氏が交配した系統の白桃品種です。
これらの系統が全て岡山県に移譲されたものであり、1995(平成7)年に岡山県によって登録出願され、1999(平成11)年に品種登録されています。
こうして生まれた「白麗」は「清水白桃」の後に続いて収穫できる”白いモモ”として岡山県オリジナルの推奨品種となっています。
◆白麗の特徴
「白麗」は大玉になりやすく、果肉は硬めですが糖度が高く、ち密で果汁が多く、渋みが少ないのが特徴となっています。
岡山県のホームページでは下記のように紹介されています。
1.8月中旬に成熟する品種である。
2.果実は大玉で、「白桃」と同程度である。
3.糖度は高く、果肉は密で柔らかく、渋味は少なく、食味が安定して優れる。
4.果肉が白く、果皮着色しにくい。
5.花粉を有するため、人工受粉はしなくてもよい。
岡山県で作られている白桃は収穫するときまで袋掛けされているので全体にほとんど着色することなく白く美しい外観に仕上がっています。またそれにより、桃の豊かな香りも強いものとなっています。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の外観は円,果頂部の形は凹, 赤道部及び果頂部の縫合線は中, 大きさは大(290g程度),
果皮の地色は乳白, 着色及び濃さは中, 形は斑,
切った直後の果肉の色はクリーム,果肉内の着色は無, 核周囲の着色は多,
果肉の粗密は密,果肉繊維の多少は中, 果皮の剥皮性は易, 肉質は溶質, 果汁の多少は多, 甘味はかなり多, 酸味は微,渋味及び苦味は無である。
核と果肉の粘離は粘, 核の形は長楕円,大きさは大, 色は濃褐, 核面の粗滑は中である。
成熟期(満開~成熟までの日数)は121~130日で育成地においては8月中旬である。
果実の日持ちは良である。
「白桃」と比較して,花粉があること, 果皮の着色が多いこと等で,「清水白桃」と比較して, 葉の鋸歯の形が浅いこと, 核周囲の着色が多いこと等で, 「吉富白桃」と比較して, 果実赤道部の縫合線が浅いこと, 果肉の粗密が密であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた白麗の食味
今回入手したのは8月22日で、果重330gほどのものでした。
見た目がとても綺麗で、香りもとても良く期待感は高まりました。
切ってみると、果肉は結構固く、皮は手ではむけません。種の周りに紅色に色が付いていて見た目が綺麗です。
食感はゴリっという歯ごたえがあり、果汁感があまり感じられずカリカリ桃と同じような感じでしたが、甘みは強く、酸味があまりないせいでより甘く感じました。また特徴にある通り渋みがないのもいい点でした。
もっと追熟させると果肉は柔らかくなるのかもしれません。
●白麗(はくれい)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「白麗」は岡山県でしか栽培されていません。農林水産省がまとめている平成28年産特産果樹生産動態等調査によると岡山県での栽培面積は25haとなっています。
◆白麗の収穫時期と旬
「白麗」の収穫時期は8月上旬から中旬にかけてで、食べ頃の旬もこの時期になります。
品種 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
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白麗 |