■ナガノパープルとは?

 ナガノパープルは長野県果樹試験場において、「巨峰」に「リザマート」を交配し、実生を選抜・育成した、9月上旬から10月上旬に収穫できる長野県オリジナル品種となる果皮が黒い大粒のブドウで、2004年に品種登録されています。

●ナガノパープルの来歴

ブドウの品種:ナガノパープル

 ナガノパープルは1990(平成2)年に長野県果樹試験場(須坂市)において、「巨峰」に「リザマート」を交配し、その実生を選抜・育成した長野県のオリジナル品種となる黒ブドウで、2004(平成16)年に品種登録された品種です。

 品種登録当時は「巨峰」に「ロザリオビアンコ」を交配して生まれた実生とされていましたが、その後の調査により、花粉親はロザリオビアンコではなくリザマートである事が判明し2010(平成22)年12月に長野県果樹試験場によって修正されました。

 現在長野県では皮ごと食べられる種無し黒紫ぶどうとしてこの品種の栽培に力を入れています。

●ナガノパープルの特徴

 ナガノパープルの果房はピオーネほど大きくなく、果粒がしっかりと果梗に付いている感じです。

 果粒の大きさはやや小粒の巨峰くらいで、ピオーネよりずっと小さいく、比較的綺麗な球形のものが多いです。果皮の色は濃い紫黒で透明感は無く、全体に果粉に覆われ厚みは薄く果肉と一体になった感じで、手で綺麗に剥く事はできません。

ナガノパープル(左)とピオーネ(右)

 果肉は崩壊性でしっかりとした歯ざわりが感じられ、甘味は取り立てて強く感じる程ではありませんが、酸味も少なく、また、皮ごと食べることで皮の渋味が加わり、全体としてバランスの取れた美味しさとして感じられます。

 種が無く、皮ごと食べられる・・・という謳いどおりで食べやすいのですが、同じように皮ごと食べる輸入ブドウと比べると、やや皮の存在感が強いかなと感じます。

ナガノパープルの断面

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されてます。

『-----

 果房の形は有岐円錐、大きさは小、長さは長、着粒の粗密は粗、果梗の太さは細、長さは中、色は黄緑である。

 果粒の形は円、大きさは中、

 果皮の色は青黒又は紫黒、果粉の多少は多、果皮の厚さはやや薄、果皮と果肉の分離性は難、

 果肉の色は不着色、肉質は崩壊性、甘味は高、酸味は少、渋味は無~極少、香気はフォクシー、果汁の多少は多、種子の数は少、形は短、大きさは中である。

 発芽期及び開花期は中、成熟期は早で 育成地においては9月上旬である。果実の着色の難易は中間、花振いの多少は多、無核果粒の混入はかなり多、裂果の多少はやや少、果梗の強さは強、果梗と果粒の分離は難である。

 「巨峰」及び「ピオーネ」と比較して、果粒の形が円であること、果粒が小さいこと等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

■ナガノパープルの主な産地と旬

●主な産地

ナガノパープル

 ナガノパープルは長野県オリジナル品種で、品種登録されたばかりのブドウということから当初は長野県内のみでしか栽培することができませんでした。2019年にそれが解禁され、全国どこでも苗木が取り寄せられるようになり、各地でも栽培する農園が出始めています。

 長野県内では現在、ナガノパープル生産の一大産地を目指している須坂市をはじめ、上高井郡小布施町や高山村などで生産されています。

●ナガノパープルの収穫時期と食べ頃の旬

 ナガノパープルは育成地(長野県須坂市)において9月上旬に成熟する早生種となっています。収穫は9月上旬から10月上旬にかけてで、出盛りの旬は9月中旬から下旬となります。

旬のカレンダー 8月 9月 10月 11月
ナガノパープル                        

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長野県オリジナルぶどう品種