●森田ネーブルとは

 「森田ネーブル」は静岡県三ヶ日町の森田要市氏が発見したワシントンネーブルに枝変わりで、ネーブルオレンジの中では主要品種として白柳ネーブルに次いで広く栽培され、晩生として2月から4月頃まで出回ります。

◆森田ネーブルの来歴

 「森田ネーブル」は1948(昭和23)年に静岡県三ヶ日町の森田要市氏が、自身の庭に植えていたワシントンネーブルに枝変わりを発見し、これを増殖した品種です。

森田ネーブル オレンジ

 1961(昭和36)年に農家五人が「森田会」を発足し、県柑橘試験場などと特性や栽培技術の研究に取り組み、1970年代に起こったみかん価格の大暴落によってネーブルオレンジが脚光を浴び、広く栽培されるようになりました。

 1976年には当時の農産種苗法に基づき「森田ネーブル」と命名登録されました。

 森田ネーブルは現在も国産ネーブルの主要品種の一つとして静岡県や和歌山県、愛媛県などオレンジの産地で栽培されています。

◆森田ネーブルの特徴

 森田ネーブルの果実はやや小ぶりで果形は球形に近いものが多く、ネーブル特有のヘソが小さい傾向があります。

森田ネーブル オレンジの断面

 果皮はネーブルの中では薄めで、果肉は柔らかく果汁が多を多く含み、糖度及び酸度ともに高く濃厚な味わいで、香りも華やかで強いです。

 また、酸度が強めなことから長期貯蔵に向いており、収穫時期や収穫してからの貯蔵期間を長くし、晩生として出荷されます。

森田ネーブル オレンジの断面

 ヘソは小さめではありますが二次心皮に由来する小さな果房が下部にある二重果となっており、バレンシアオレンジのように縦に綺麗な房どり(カルチェ)には向いていません。

 食べる際はナイフで切り分け、皮もナイフでむく方が食べやすいです。

◆実際に食べてみた森田ネーブルの食味

 撮影した森田ネーブルは3月下旬に購入した静岡県三ヶ日産で、「三ヶ日ネーブル」ブランドとして1個200円で販売されていたものです。

 果実重290~325gで果肉はやや明るい目のオレンジ色で果汁はたっぷりと含まれている感じでした。

森田ネーブル オレンジ

 皮をむいて食べるとジョウノウ膜は薄く口の中で気にならず、サジョウはとても柔らかくジューシーで、強い甘みと共にしっかりとした酸味もありこのバランスがとても良く、味が濃く感じます。計った糖度は14.3~17.5%でした。

●森田ネーブルの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 森田ネーブルの主な産地は発祥の静岡県三ヶ日地区をはじめ愛媛県、和歌山県などです。また現在でもネーブルオレンジの中では主要品種として白柳ネーブルに次いで広く栽培されています。ただ、年々その栽培面積は減少傾向にあります。

◆森田ネーブルの収穫時期と旬

 森田ネーブルの収穫は12月中旬頃から始まり越冬ものが1月に収穫されます。市場に多く流通するのは2月から3月にかけてで4月頃まで出回ります。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
森田ネーブル                        

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