いけだ(桃):来歴や特徴と産地や旬
●「いけだ」とは
◆「いけだ」の来歴
「いけだ」は福島県に導入された「川中島白鳳」の中に混じっていた白桃系に、福島県にある苗木販売の会社である福島天香園が「いけだ」と命名したとされる品種です。
「いけだ」は食味の良さから福島天香園によると『味は『究極の桃』』と紹介されています。しかし、枝が平行に伸びて垂れ下がる傾向があるなど、栽培が難しいことから生産者が少なく希少な品種となっています。
◆「いけだ」の特徴
「いけだ」の果実は果重270〜300gほどで、果形は円形で玉揃が良いいとされています。
果皮色は全面に濃紅〜紫紅色の着色しやすい。ただ、微細なヒビが生じやすく、外観的に優れた品種とはいえないようです。
果肉は肉質がよく多汁で糖度もあがりやすく酸味は少ない桃となっています。
◆実際に食べてみた「いけだ」の食味
撮影試食した「いけだ」は8月19日に購入した山形県産の特秀品 20個/ケースで、果実は全体によく色付き、表面に白い果点も沢山表れているものでした。
果重は250~260gと「いけだ」としては小さめのものです。香りは桃らしいふくよかな甘い香りが経っています。
皮は手では一部しかむけず、ナイフでむく必要がありました。果肉は核のまわりは赤くなく、皮近くがほんのり薄紅がさしています。
食べた食感は舌に滑らかで硬めながら歯触りは柔らかく、白鳳と白桃の中間位の感じで繊維感は少なく感じました。
果汁も多く、しっかりとした甘みが広がり、優しい酸味が後口をさっぱりとさせてくれる感じで渋みもなくとても美味しい桃でした。糖度を計ると13度ほどでした。
●「いけだ」の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「いけだ」の主な産地は山形県で、農林水産省がまとめた平成30年産特産果樹生産動態等調査では山形県18.8ha、青森県1haとなっています。
山形県の主な産地は東根市、村山市となっています。この桃が発見された当初は味の良さから山形県では多くの生産者が導入し栽培に取り組んだようですが、栽培の難しさから今ではわずかの生産者しか残っていないようです。
◆「いけだ」の収穫時期と旬
「いけだ」の収穫時期は「あかつき」とほぼ同時期とされ、山形県では8月上旬~中旬となっています。
品種 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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いけだ |
< 出 典 >
※ 「いけだ」株式会社福島天香園ホームページ