■ちよひめとは
●ちよひめの来歴
「ちよひめ」は昭和48年に農林水産省果樹試験場において「高陽白桃」と「さおとめ(白鳳(はくほう)×ロビン」とを交配、得られた交雑実生を選抜育成された系統”モモ筑波84号”で、1986(昭和61)年に「ちよひめ」と命名及び「もも農林14号」として農林登録され、1988(昭和63年)に品種登録された極早生種の桃です。
●ちよひめの特徴
果実の大きさは小ぶりですが、大きいものでは200gを超える果実もあります。果皮の着色は比較的多く、果実の形は円~短楕円形です。
果肉は白色で部分的に赤く着色がみられ、肉質は溶質ですがややち密で締まりがあり、日持ち性も比較的良好です。
果汁は多く、糖度は11~12%で、酸味は少なく、この時期のモモとしては外観、食味とも優れています。

農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『- - - - - - - - -
果実の外観は短楕円、果頂部の凹は浅く、梗あの深さ・広さは中、縫合線の深さは赤道部、果頂部ともに中である。
果実の大きさは中(150g程度)、果皮の地色は白、果皮の着色は多、着色の濃さは濃である。
果肉の色は白、果肉内の着色は中、核周囲の着色は少である。果肉の粗密はやや密、果肉繊維の多少は中、剥皮は易、肉質は溶質である。
果汁は多、甘味は少(糖度10度程度)、酸味は少(PH4.5程度)で、この時期のものとしては甘いほうである。
核と果肉の粘離は粘、核は短楕円形で大きさは中、核面の粗滑は中、刻の点条の比率は1:1である。
成熟期(満開~成熟までの日数)は80日以前(77日程度)であり、「布目早生」よりも3日位早い。結果量は多、生理的落果は少、核割れは中、裂果は無、果実の日持ちは良である。
- - - - - - - - - - -』以上抜粋。
●実際に食べてみた食味
「ちよひめ」の果実の大きさは160gから200g程の中位、果皮の地色は白で、着色は濃く、少しまだらになっているものが多く見られます。

皮は熟したものは比較的むき易く、湯剥きすることもできます。果肉は白く、うっすらとピンクがかっていて、しっかりとした食感があり、たっぷりと果汁が含まれています。食べた感じは、酸味は弱く、甘さ自体も強くはないので「桃」全体の中では物足りなさを感じてしまいますが、この早い時期に出回る桃としては甘い方といった感じです。
■ちよひめの産地と旬
●主な産地
ちよひめの主な産地は山梨県です。2022年産特産果樹生産動態等調査によるとちよひめの全国の栽培面積は26.6haとなっており、このうち23.4haが山梨県で、それ以外では香川県1.7ha、和歌山県1.5haだけになっています。
2013(平成25)年産の時点では全国で約94haとなっていたので、およそ3分の1に減ってしまったことになります。
●ちよひめの出回る旬
「ちよひめ」は施設栽培も行われているので、桃の中では「はなよめ」とともに最も早く出回り始める品種です。早いものは5月下旬頃から始まり、6月中旬頃から露地物も収穫が始まります。食べ頃の旬は6月中旬から7月初旬あたりとなります。

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