蟠桃/バントウ/Plattpfirsiche/平桃:特徴や産地と旬
■蟠桃(バントウ)とは?
●果実が円盤状の品種を指す総称
蟠桃(バントウ)は中国が原産とされる桃の品種で、日本で一般的な比較的丸い桃とは違い、平たい形をしているのが大きな特徴で、それらにはいくつもの品種があり、「蟠桃(バントウ)」はそれらの総称として使われています。
この「蟠桃(バントウ)」という呼び名は別名「座禅桃(ザゼンモモ)」とも呼ばれ、中国では古くから不老不死の「仙果」として扱われてきたと言われています。あの孫悟空と猪八戒が食べた不老不死の桃、それがこの蟠桃と伝えられています。
「蟠」という漢字の意味は日本語では”蟠る(わだかまる)”と言い、不平や不満で心がすっきりしない状態として使われる事が多いですが、その他にも、”かがんでうずくまる様子”や、”リング状に巻いている様子”といった意味もあるとされています。扁平な形で上も下も中心部分がくぼんでいる蟠桃はドーナツのようでもあり、後者の意味から付けられたものと思われます。
●蟠桃(バントウ)の特徴
最大の特徴は、平たく真ん中がくぼんだ円盤状の形です。そして、その形状から、中心部の種はとても小さく、可食部の割合が多いです。
品種はいくつもあり、果肉が白い白桃系のものと、黄桃系のものもあり、国内で作られているものは種の周りが赤い白桃系の物が多いようです。断面の写真は福島県産の物。
いずれも皮は手で簡単に剥けます。
オランダで売っていたスペイン産の物は福島県産の物より若干小ぶりで、平らな感じでした。
◆実際に食べてみた国産の蟠桃(バントウ)の食味
福島県産の蟠桃(バントウ)は1個125g程で果実は真ん中が窪み、果肉は外側にふくらみがあり、縫合線のところが顕著な割れ目になっているものが多かった。果皮は手で剥くことができ、果肉は緻密で柔らかい感じでした。
味的には一般的な甘い桃と同じで、香りはあまり強くは感じられませんでした。
日本では生産量が非常に少ない事もあり、”幻の桃”などというふれこみで、味はともかく希少性で非常に高価な桃となっています。今回購入したものは8個入り送料、税込みで4980円。送料を1500円としても125g程のものが1個435円もしました。
◆安くて美味しいスペイン産の蟠桃(バントウ)
写真の物はオランダにてスペイン産の物が沢山出回っていたものを撮影しました。非常に甘い香りが強く、触った感じでは比較的しっかりとしていますが、口に含むととてもジューシーで甘く、果肉は緻密でとても良い舌触りが感じられました。
ヨーロッパでは比較的沢山出回っているようで、500gで8個入りで1.49ユーロ(200円程)でした。1個あたり62.5g25円ほどということになります。
■蟠桃(バントウ)の主な産地と旬
●主な産地と生産量
日本では福島県や和歌山県などで僅かに生産されているようです。「楊貴妃」という名称でも出回っているのを見かけます。平成23年産までの政府の統計データには計上されていないので生産量は不明です。
写真はスペイン産の物で、Plattpfirsiche(平桃)という商品名で売られていました。
その他、もちろん原産国の中国でも沢山作られているようです。
●蟠桃(バントウ)の収穫時期と旬
国内で作られている品種は晩生の物が多いようで、収穫時期は地域にも寄りますが、早いところでは7月下旬頃から始まり8月下旬にかけてとなっています。
旬のカレンダー | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
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蟠桃(バントウ) |