●菊間中生とは

 菊間中生は愛媛県の山崎遥氏が南柑20号から選抜育成した、南柑20号より早く収穫でき、果実品質が優良な中生温州みかんです。

◆菊間中生の来歴

 菊間中生は愛媛県越智郡菊間町の山崎遥氏が、1957(昭和32)年に「南柑20号」の中から、早く着色し果形が良く、隔年結果性があまりなく連年収穫が安定している3本の木から採取した穂木800本を育成、1978年に、その中から特に果実品質が優れた10本を選抜して原木とし、この地の奨励品種としたものです。1979年には地域の農協が母樹園を設置して穂木の供給体制を整え、農協管内中心に栽培が広がっています。

◆菊間中生の特徴

 菊間中生の果実は平均果重110~130gと「南柑20号」と同程度で、果形もほぼ同じで玉揃いがよくやや扁平しています。

菊間中生の断面 温州みかん 皮をむいた菊間中生 温州みかん

 果皮は薄くはありませんが厚いというほどではなくむきやすいです。じょうのう膜は薄く柔らかいので食べやすく、糖度は園地などによって多少ばらつきがみられるようですが、12~13度ほどで酸味が少なく、果汁も多く食味が良いのが特徴となっています。

 また本種は「南柑20号」よりも10日前後早く収穫できるのも特徴です。

◆実際に食べてみた菊間中生の食味

 撮影した菊間中生は12月下旬に今治市内の直売所で購入したもので、果実重は167~224gとやや大きいミカンでした。

菊間中生の糖度 温州みかん

 皮はやや厚く感じましたが、硬くはなくむきやすいです。ジョウノウ膜はやや薄くて柔らかく、そのまま食べても気にならない程度でした。

 計った糖度は11.5%と糖度自体はそれほど高くはないのですが、酸味が少ない分甘く感じられ、美味しいみかんでした。

●菊間中生の主な産地と旬

皮をむいたり半分に切った菊間中生 温州みかん

◆主な産地と生産量

 菊間中生の全国の栽培面積は令和2年産特産果樹生産動態等調査によると115.4haとなっています。主な産地は育成地である愛媛県で、全国の95%ほどを占めています。その他、三重県が4.9haとなっています。この資料ではこの2県の産地のみとなっていましたが、苗木はどこでも取り寄せることができ、その他のみかん産地でも個々の農園が少量栽培していたりします。

◆菊間中生の収穫時期と旬

 菊間中生は南柑20号より10日ほど着色が早く、減酸も早いので11月中旬頃から収穫が始まります。

 市場に出回るのは年内一杯くらいで、最盛期は11月下旬から12月上旬です。

品種 10月 11月 12月 1月
菊間中生                        

< 出 典 >

 ※ 「菊間中生 きくまなかて」株式会社吉岡国光園

 当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。