●原口早生とは
「原口早生」は長崎県西海市の原口誠司氏が発見・育成した「宮川早生」の枝変わり品種で、大粒で柔らかく甘いのが特徴です。主に長崎県で作られており、露地物は11月中旬から12月上旬が食べ頃の旬となります。
◆原口早生の来歴
「原口早生」は1970(昭和45)年に、長崎県西海市の原口誠司氏が、新しく植えたミカンの苗木500本の中から他とは違う木を発見、これを育成したところ「宮川早生」に比べ果実が大きくて皮が薄く、そして甘みが強い果実がなったことからこれを増殖したものです。このことから、「原口早生」は「宮川早生」の枝変わり品種とされています。品種登録はせず権利を解放されたこともあり「原口早生」あるいは「原口みかんとして」広く栽培されるようになりました。
また、2016年には「原口早生」から枝変わり品種が育成され、長崎県のオリジナル温州ミカン品種として「長崎果研原口1号」が登録出願され、2018年に品種登録されています。
◆原口早生の特徴
「原口早生」の果実は「宮川早生」よりも大きく、L~LLサイズも食味が良いとされ、果皮色は緑色から10月上旬頃から着色し始め、10月下旬には完全に橙色に着色します。また、果肉の色も10月中頃には濃橙色になり、果肉先熟型と言われています。
今回撮影したものはハウス栽培された青切りみかんで、果皮色はまだ緑色ですが、果肉は濃い橙色に着色しています。
◆実際に食べてみた原口早生の食味
撮影試食した原口早生は8月下旬に購入したグリーンハウスみかんで、果皮色はまだ全体に緑で、部分的にわずかに黄色みが出ている程度でした。
皮は薄く、むいているととても青切りミカンならではの爽やかなミカンの香りが発せられます。皮と中の果肉はぴったりと付いていますが、剥きにくいという感じはしませんでした。
食べてみるとジョウノウ膜は比較的薄く、そのまま食べられます。そして甘味がさわやかな酸味と共に口に広がり、それでいて青切りミカンの様な酸っぱさはありません。まだ暑いこの時期に食べられるミカンとしてはとても美味しいです。
●原口早生の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
農林水産省がまとめた令和2年産特産果樹生産動態等調査によると、原口早生の全国の栽培面積は501.6haとなっています。これは温州みかん全体で見るとおよそ1.67%にあたります。
原口早生の主な産地は発見された長崎県です。全国の栽培面積のうちの8割近い397haが長崎県となっています。
その他は熊本県、福岡県、佐賀県といった九州と愛媛県、和歌山県となっています。
◆原口早生の収穫時期と旬
原口早生の収穫・出荷時期は通常の露地栽培物は果皮が完全に着色し、果肉も完熟する10月下旬頃から12月下旬にかけてとなります。
12月後半あたりから物によっては味ボケや浮き皮が出始める傾向があるので、食べ頃の旬は11月中旬から12月中旬頃となります。
また、加温ハウス物は6月上旬頃から7月中旬頃にかけて、そして今回撮影試食したグリーンハウス物は8月下旬頃から9月上旬にかけて出回ります。
品種 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
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原口早生 |
< 出 典 >
※ 「原口早生」中央果実協会
※ 「加温施設栽培におけるウンシュウミカン「長崎果研原口1号」の有利性」長崎県農林技術開発センター 2019 年度成果情報
※ 「登録番号26564 長崎果研原口1号」 農林水産省品種登録データベース
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