天使音メロン（あまねめろん）：来歴や特徴と産地や旬

●天使音メロンとは

　「天使音メロン」は影山雅也氏が静岡県浜松市のメロン生産法人「株式会社まさ屋」で栽培出荷している高品質マスクメロンです。

　このメロンは昭和28年、英国女王エリザベス2世の戴冠式の際、イギリスから持ち帰られた「ヒーロー・オブ・ロッキンジ」という白肉系のメロンをもとに緑肉系の「アールスフェボリット」を掛け合わせ改良を重ねて生み出された、クリーミーで香り高いメロンです。

　さらに影山氏は甘さや香り、機能性成分などを高める栽培方法を試行錯誤のうえ生み出し、特許を取得しています。

◆天使音メロンの来歴

　静岡県のメロンと言えば高級マスクメロンで有名ですが、影山氏もかつては組合に属し先代から続く高級温室栽培のマスクメロンを20年以上生産されていたそうです。

　自身が理想と考えるメロンを作りたいという気持ちから栽培方法の研究や様々な情報を収集していく中で、2011年に「ヒーロー・オブ・ロッキンジ」の種子を見つけ出し、これをもとに「アールスフェボリット」と交配し改良を重ね、2012年には組合を脱退し、「天使音メロン」の栽培を始めました。

　2012年に「メロンの香味改良方法」、2013年に「メロンのギャバ含有量増加方法」の特許を出願、それぞれ2013年、2015年に公開されています。

　現在は影山氏が代表を務めるメロン生産法人 株式会社まさ屋で天使音メロンを生産し、同じく影山氏が代表を務めるヒノン農業株式会社がマーケティング及び販売を行っています。

◆天使音メロンの特徴

　天使音メロンは果重1.0～1.7kgで、その大きさによって1.0～1.4kgのものは「天使音メロン グランベベ」、それ以上のサイズを「天使音メロン」として販売し、特別限定生産 天使音マスクメロン【朔】は「新月」の日に収穫した1.1㎏未満のマスクメロンと、三つのグレードがあります。

　いずれも通常の収穫日に根を１本残して引き抜くことで皮近くまで糖度を揚げ、香りを際立たせるW完熟という特許を取得した手法により、メロン全体の糖度にばらつきが少なく、香りも10倍以上にもなるそうです。

　果面は高級マスクメロン同様、均一に美しい網目模様が入り、果肉は黄緑色で、クリーミーな食感となっており、果実中央部では糖度16度以上ととても甘いメロンです。

　また、特許を取得した手法によって収穫されることにより、リラックス効果をもたらすといわれている機能性成分のＧＡＢＡ（ギャバ）が一般のメロンよりも多く含まれているそうです。

◆実際に食べてみた天使音メロンの食味

　撮影試食したものは2019年11月に頂いた果重1.25kgのもので、果面の網目は全体に均一でとても美しい物でした。

　マスクメロンのT字に残されている蔓は１本の蔓から１個だけを収穫した証しですが、追熟の過程で左右どちらかの枝が先に枯れていくのを御存知ですか？食べ頃は果実から甘い香りが強く出てきた頃、そしてこのT字の片方が枯れてしぼんできた頃が食べ頃となります。

　食べ頃を迎えた天使音メロンを切って見ると、マスクメロンらしい甘く芳醇な香りがとても強く、食べる前から美味しさが伝わってきます。

　食べてみると果肉は溶けるようにほぐれ、強い甘みが口に広がりました。あらかじめナイフで皮に沿って果肉部分を切ってはいたのですが、皮近くに残った果肉も十分に甘く、ついついスプーンでこそぎ取って食べてしまい、最後はキレイに薄い皮だけが残りました。

　計った糖度は18％を超えていました。この皮ぎりぎりまで美味しい事と強い甘さ、そして何よりも芳醇な香りの強さは数多いメロンの中でも別格と言っても過言ではないと思います。

●天使音メロンの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

　現在も天使音メロンは影山氏が代表を務めるメロン生産法人 株式会社まさ屋でのみ栽培出荷されており、その数はマスクメロン全体で見るとごくごくわずかしかありません。

◆天使音メロンの収穫時期と旬

　天使音メロンはガラス温室で栽培されており、通年出荷されています。

品種	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
天使音メロン

＜ 出　典 ＞

　※　天使音メロン公式サイト

　※　ヒノン農業株式会社ホームページ

　※　株式会社まさ屋ホームページ

　※　「静岡県産 マスクメロン 「 天使音 （ あまね ）」【 グランベベ 】」　フルーツ　SHOMEIDO