■愛宕柿(あたごがき)とは

●晩成種の大きな柿

愛宕柿(あたごがき)

 愛宕柿(あたごがき)は愛媛県が原産の渋柿で、現在も愛媛県を中心に岡山など周辺地域で作られています。名前の由来は諸説あり、京都の愛宕山に奉納されて名前を賜ったという説や、京都愛宕産の柿の種からの実生からという説などがあります。いずれにしても京都の「愛宕」が絡んでいるようです。

●愛宕柿(あたごがき)は「完全渋柿」

 愛宕柿(あたごがき)は渋柿の分類には入り、脱渋が難しかったこともあり、これまで主に干し柿に加工されることが多かったようです。渋柿の中でも、渋抜き処理をしても渋が抜けにくく、炭酸ガスを使う方法では熟度によって異なりますが、だいたい10日から14日くらいかかるそうです。

 近頃は徳島県産の渋抜きされたものもスーパーなどで見かけるようになりました。

愛宕柿(あたごがき)の断面

●愛宕柿(あたごがき)の特徴

 愛宕柿(あたごがき)は果実の大きさは300g~350g程で大きめの柿です。釣り鐘状で先が細く尖っているのが特徴的で表皮は艶のある明るいオレンジ色をしています。果肉も同じようなオレンジ色で、脱渋されたものはほんのりと適度な甘みで、さくさくした歯ざわりが楽しめます。

愛宕柿/あたごがき/アタゴガキと甲州百目

 大きさや形が甲州百目と似ているようにも思いますが、並べてみてみると、愛宕柿の方がやや大きく、明るいオレンジ色なのに対し、甲州百目の方が赤みが強い傾向にあり、先の尖った形など少しずつ違うのが分かります。(写真は左が愛宕柿で、右が甲州百目=蜂屋柿です。)

■愛宕柿(あたごがき)の出回る旬の時期と主な産地

●主な産地と栽培面積

 愛宕柿が生産されているのは愛媛県を中心に瀬戸内周辺がほとんどです。

 特産果樹生産動態等調査で全国の愛宕柿の栽培面積を見ると平成22年産の時点ではで291.7haで、最も多いのは原産地とされている愛媛県で160.5ha、次いで徳島県83.6ha、香川県18.7ha、岡山県15.0haなどとなっていましたが、令和4年産の時点では全国で104.5haまで減ってしまっています。最も広く栽培されている愛媛県ですら80.5haと半減しており、次いで香川県13.2ha、岡山県10.8haとなっています。かつて二位だった徳島県は記載がありませんが、現在も生産している農園はあります。

●愛宕柿(あたごがき)の収穫時期

愛宕柿/あたごがき/アタゴガキ

 愛宕柿(あたごがき)は晩生種の柿で、収穫期が11月中旬から12月中旬となり、下記の中でも最も遅い時期に収穫されます。収穫後、吊るし柿むけにはすぐに出荷されますが、生食向けのものは10日から2週間かけて脱渋された後出荷されます。

 生食物の食べ頃の時期は12月から1月が旬となり、干し柿は12月中旬あたりから出回り始めます。

旬のカレンダー 9月 10月 11月 12月 1月 2月
愛宕柿(あたごがき)                                    

 当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。