●マスカット ジパングとは
◆マスカット ジパングの来歴
「マスカット ジパング」は岡山県北区津高でぶどうの育種と生産農家である林ぶどう研究所が「ロザリオビアンコ」と「アリサ」を交配し育成した種無しで皮ごと食べられる大粒のブドウで、開発には10年を要したとされています。
2011年に種苗法に基づく登録出願、2014年に品種登録されています。出願当初の名称は「レクシア」でした。
林ぶどう研究所を営む林慎悟氏は『岡山の地の利を生かしてここでしか育てられないぶどうを開発し、地域の力ある生産者たちとともに岡山の農業を強くしていきたい。そして世界に発信していきたい』との想いで「マスカット ジパング」を開発したそうです。
◆マスカット ジパングの特徴
「マスカット ジパング」は大粒で、果形は本来円形とされていますが、摘果など果房の調整により大粒に仕立てられ、それらによって粒は縦長になっています。写真のものは1.2kgもある大きな房で、一粒30gもありました。
果皮色は一様に黄緑で、樹上で完熟させると果皮表面に黒い斑点などが出やすいようです。
「マスカット ジパング」はマスカットの爽やかな香りがあり種無しで皮ごと食べられるぶどうであることとされています。
果肉は透明感のある乳白から薄い黄緑で崩壊性です。皮は果肉に密着していて手で剥くことはできませんが、皮が薄く種もないため、皮ごとかじるように食べられます。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果房の大きさは大、果房の着粒密度は中、穂梗の長さは極長、穂梗の色は緑、
果粒の大きさは中、果粒の形1は球形、
果皮の色は黄緑、果粉の多少はやや少、果皮の厚さは薄、果皮と果肉の分離性は中、
肉質は崩壊性、果汁の甘味は高、果汁の多少は多、果実の香りは無、花振るいの多少はやや多である。
出願品種「マスカット ジパング」は、対照品種「ロザリオ ビアンコ」と比較して、果粒の大きさが中であること、果粒の形1が球形であること、種子の有無が痕跡であること等で区別性が認められる。
対照品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と比較して、果粒の大きさが中であること、果粒の形1が球形であること、種子の有無が痕跡であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたマスカット ジパングの食味
撮影試食したものは大阪の青果店Bonnie Tone(ボニートーン)さんで購入したものです。
化粧箱入りの「マスカット ジパング」は一房1.2キロもあり、果粒は一粒30g前後、糖度を計ると16.9度もありました。
食べた感じは粒が大きいので一口では口に入らず、かじることになるのですが、皮は果肉とともにパリッと歯切れがよく噛みきれます。そして果汁と共に強い甘みとほのかにマスカット香が・・・。
果肉と果皮は一体感があり、口の中でも違和感なく美味しく食べられました。
●マスカット ジパングの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「マスカット ジパング」は岡山の生産者のみに栽培が許された品種です。他府県では栽培されていません。
出荷量などの詳しい情報は分かりませんが、岡山県内でも林氏から苗の提供を受けたわずかな生産者に限られています。
◆マスカット ジパングの収穫時期と旬
マスカット ジパングの収穫時期はハウス物が6月下旬ごろから始まり、その後露地雨よけ栽培ものが10月まで続きます。
旬の時期は7月中旬頃から9月にかけてとなります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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マスカット ジパング |
< 出 典 >
※ 「マスカット ジパング」林ぶどう研究所ホームページ
※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ
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