■紫玉とは?

 ぶどうの品種、紫玉(しぎょく)の来歴や特徴と実際に食べた食味をはじめ、収穫時期や出盛りの旬などを沢山の写真と共に紹介します。「紫玉」は植原葡萄研究所において「高墨」の枝変わりとして発見・育成された早生種です。高墨は巨峰から選抜された優良品種なので、紫玉は巨峰の優良早生品種ということになります。

●紫玉の来歴

紫玉/シギョク<ブドウ

 「紫玉」は山梨県の植原葡萄研究所のぶどう園において1982(昭和57)年に巨峰の優良系統「高墨」の枝変わりとして発見され、その枝から採穂して接木により育成されたものです。

 1985年に品種登録が出願され、1987年に登録されました。

 植原葡萄研究所と言えば、数々の品種を生み出してきたことで知られています。

●紫玉の特徴

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

紫玉/シギョク<ブドウ

『------

 果房の大きさは大、果房の形は円錐、粒着の粗密は密である。

 果粒の大きさは非常に大(12g程度)、果形は短楕円形、

 果皮の色は紫黒、果粉の多少は多である。 果皮は厚く、果皮と果肉の分離性は易、

 果肉の色は不着色、肉質は崩解性と塊状の中間である。果汁は多、甘味は高、酸味は少、香気は特殊、

 種子の多少は中である。

 開花期は中、成熟期は早、育成地において8月初旬で、「巨峰」より10~15日、「高墨」より5~7日早い。-

-----』以上、抜粋。

 要するに、「巨峰」から生まれた早熟品種と言うことで、収穫時期が早い巨峰と思って良いと言うことです。

●実際に食べた食味

紫玉(しぎょく) ぶどう ブドウ

 今回入手したものは一般的な「巨峰」に比べ、やや小ぶりでしたが、粒の大きさは栽培環境や方法によってもっと大粒のものもあるようです。

 皮の厚さや食べた時の果肉の食感は「巨峰」と区別がつきませんでした。甘味酸味共にしっかりとしていて濃厚な味が楽しめました。また、今回のものは種がありませんでした。

■紫玉の主な産地と旬

●主な産地と生産量

 政府がまとめた2020年産特産果樹生産動態等調査によると全国の栽培面積は26.9haで、山梨県が最も多く、次いで兵庫県、愛知県と続いています。ここに出ていない地域でも観光農園などで栽培しているところは沢山あるようです。

●紫玉の収穫時期と旬

 紫玉の収穫は「巨峰」や「高墨」よりも早く、山梨県で8月上旬から下旬となっています。

旬のカレンダー 7月 8月 9月 10月
紫玉                        

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