■グローコールマン(GrosColman)とは?
グローコールマンはロシア南部のコーカサス地方が原産地とされる赤紫色の大粒ぶどう品種で、岡山県では大正時代から作られてきたとも言われるぶどうです。収穫時期が遅く、11月から年末にかけて出回ることから「こたつぶどう」と呼ばれてきました。
●ロシア生まれのぶどう
グローコールマンは、ロシア南部のコーカサス地方が原産地とされる品種で、名前を直訳すると「大きい石炭」という意味になります。
発祥の交配親や時期などの詳細は不明ですが、19世紀にはヨーロッパで広く栽培されていたようです。日本に導入されたのはイギリスから1899(明治32)年に持ち込まれたのが始まりとも言われています。現在の主産地である岡山県で栽培が始まったのは1921(大正10)年と考えられているとのことなので、もはや伝統食材と言えます。
日本では温室栽培が中心となっており、一時期は冬場に食べられる大粒のぶどうという事で「こたつぶどう」とも言われ、高級フルーツとして扱われていましたが、近年では次々甘い品種なども登場し、輸入ぶどうも多くなってきたことなどもあってかなり手頃な価格になってきているようです。
●グローコールマンの特徴
グローコールマンの実は大粒の短楕円形で、皮が薄く、色はデラウエアと似た感じです。
肉質は崩壊性で、酸味が少なく、甘さもそれほど強くなく、さっぱりとした口当たりのぶどうです。岡山県の出荷基準では糖度13度以上となっており、13~18%ほどです。
皮が薄いので、皮ごと食べられなくはないのですが、本種は通常種子が入っており、これを口から出しながら食べることになります。
●実際に食べてみたグローコールマンの食味
撮影したグローコールマンは2012年産は一房430円(税別)、2021年は650円(税別)でした。いずれも岡山県で作られた温室栽培物で、シャインマスカットなどに比べると随分手頃な価格に感じます。
外見的にはやや大粒のぶどうで、その年の天候などによって着色度合いにはややばらつきが見られます。房の大きさや果粒の付き方なのか、やはり今一つ高級感は感じられないのですが、食味としてはいくつでも食べられるような程よい甘さで美味しいぶどうです。2021年産の糖度を計ってみたところ18.6%ありました。
■グローコールマンの収穫時期と旬と主な産地
●岡山県の特産ブドウ
2009(平成21)年産特産果樹生産動態等調査の栽培面積を見ると、全国で約15haで作られているとなっていますが、その全てが岡山県となっています。中でも岡山市北区の一宮地区と津高地区が主な産地となっています。それが、2020(令和2)年産では岡山県の7.9haのみとなっており、この10年程で半分近くに減ってしまったことになります。
●最も遅い晩生種 「こたつぶどう」とも呼ばれています。
グローコールマンはぶどうの中では最も収穫期が遅い晩生種で、10月下旬から出回りはじめ、11月中旬から出荷が本格化し、12月にピークを迎えます。コタツに入って食べられる時期に出回ることから、「こたつぶどう」などとも呼ばれています。
旬のカレンダー | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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グローコールマン |
< 出 典 >
※ 「グロコールマン」ぶどう品種総図鑑 植原亘紘編著 p.25
※ 「コールマン ~岡山県発・冬のぶどう~」丸果石川中央青果
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