バッファロー:来歴や特徴と産地や旬
●バッファローとは
◆バッファローの来歴
「バッファロー」はニューヨーク農試が1921年に「ハーバート」と「ワトキンス」を交配し、その実生から選抜育成され1949年に登録されたアメリカ生まれの皮が黒い早生品種です。
日本には「スチューベン」が導入された際に、その中に紛れて入ってきたことから、「スチューベン」よりも早く熟す本種は「アーリースチューベン」と呼ばれていました。
その後、1984年に「アーリースチューベン」は「バッファロー」であることが色素分析により証明され、現在では「バッファロー」と表記することが浸透しています。
◆バッファローの特徴
バッファローは果粒2gほどですが、成形しジベレリン処理を行うことで5gほどの大きさになります。
果形は球形から長楕円形で、果皮色は紫黒色で果紛が多い。
皮は剥きやすく果肉はスチューベンなどに似た食感で、果汁が多く、糖度は18~20度になり糖度酸度とも高く濃厚で、独特の香りを持っています。
◆実際に食べてみたバッファローの食味
撮影試食した「バッファロー」は7月中旬に大阪府羽曳野市の葡萄園たちばなやさんで購入したものです。
果房は縦長の円錐形で、果粒は巨峰などに比べるとやや小ぶりで、やや縦長の卵型でした。
果皮の色は少しあおみがかった紫黒色で、表面は白く果粉に覆われています。
皮は厚いというほどではありませんが、皮ごと食べるには硬く口に残るので、皮は出すことになります。種子はありませんでした。
糖度は18度前後でめちゃめちゃ甘いという訳ではありませんが、酸味もしっかりとあり、また香りもあることから全体的に濃厚な味わいとなって口に広がります。
皮の色が濃く、果汁にもその色が出ますが、渋みやエグミはほとんど感じませんでした。果汁を絞ってジューにしたり、ジャムなどもお勧めです。
●バッファローの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
バッファローの主な産地は北海道です。平成30年産特産果樹生産動態等調査によると、全国でバッファローは35haあまりで栽培され、そのうち約68%を北海道が占めています。
北海道には1962(昭和37)年に導入され、1966(昭和41)年に北海道優良品種に認定されて以来栽培が広がったようです。
◆バッファローの収穫時期と旬
バッファローはスチューベンより約1カ月ほど早く収穫できる早生品種で、大阪では7月中頃~8月上旬、青森から北海道では9月上旬〜中旬(ハウスでは8月中旬〜下旬)となっています。
バッファロー | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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近畿 | ||||||||||||
富山 | ||||||||||||
東北・北海道 |
< 出 典 >
※ 「バッファロー Buffalo」ブドウ品種総図鑑 植原宜紘 編著 創森社 P.145
※ 「バッファロー(Buffalo)」北海道立農業試験場資料第9号 農作物優良品種の解説 (1961-1977) Ⅲ章 果樹