ベニバラード<ぶどうの品種
●ベニバラードとは
◆ベニバラードの来歴
「ベニバラード」は1997(平成9)年に米山孝之氏が山梨県甲府市にある自身のほ場において、「バラード(欧州種系のバラディー×米国品種のゴールド)」に「京秀」を交配し、その実生の中から選抜育成された、皮が赤く、パリッと皮ごと食べることができるぶどうです。2001(平成13)年に登録出願、2005(平成17)年に品種登録されています。出願当時の名称は「ベニバラ」となっています。
この品種の後に同じく米山孝之氏によって育成され2006年に登録されている「ベニバラオー」とは交配親が同じ姉妹品種です。
◆ベニバラードの特徴
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『- - - - - -
果房の形は有岐円錐、大きさは大、長さは長、着粒の粗密、果梗の太さ及び長さは中、色は紅褐である。
果粒の形は短楕円、大きさは大、果皮の色は赤、果粉の多少は中、果皮の厚さは薄、果皮と果肉の分離性は難、果肉の色は不着色、肉質は崩壊性、甘味は高、酸味は少、渋味は無~極少、香気は無、果汁の多少は少、種子の数は中、形は長、大きさは中である。
発芽期は早、開花期は中、成熟期は極早で育成地においては7月下旬である。果実の着色の難易は散光着色、花振いの多少及び無核果粒の混入は中、裂果の多少は少、果梗の強さ及び果梗と果粒の分離は中である。
- - - - - - - - 』以上抜粋。
◆実際に食べてみた食味
<2016年 山梨県産の物>
見た目、食感ともにレッドグローブなど海外産のものとよく似ています。皮が薄く、そのまま食べてもあまり気になりませんでした。
ただ、種があるのでかむ時は注意が必要です。これは、種なしにすることもできるようですが、ジベレリン処理をすると皮が硬くなってしまい、このぶどう本来のパリッとした食感を損ねてしまうため、通常は種ありのままで栽培されるからです。
果肉は硬めで歯触りがあります。味的には、酸味が少なく、甘味が勝っていますが、全体としては軽い感じで次々食べられる感じでした。香りはほとんど感じられません。
<2018年 長野県産の物>
こちらは種が入っていませんでした。皮は薄く果肉と一体となっている感じで、口に中で噛むとパリッとした歯触りで、果肉はやや固くシャキシャキとした食感なのですがとてもジューシーで、酸味が少なく甘味が強く感じられました。
●ベニバラードの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
主な産地は育成地である山梨県をはじめ長野県などです。農林水産省がまとめた平成28年および平成29年の産特産果樹生産動態等調査では長野県の1.7haのみとなっています。
◆ベニバラードの収穫時期と旬
ベニバラードは極早種で、品種登録の内容では育成地の山梨県において7月下旬に成熟期となっています。
山梨県の主な農園では8月の下旬から9月上旬にかけて収穫されているようです。
旬のカレンダー | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
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ベニバラード |