●阿波ほうべにとは

◆阿波ほうべにの来歴

 「阿波ほうべに」は徳島県立農林水産総合技術支援センターにおいて育成された冬場に旬を迎える促成イチゴ品種で、「さちのか」と「かおり野」を掛け合わせて出来た実生から選抜育成され、2016(平成28)年12月に農林水産省に品種登録を出願、翌春に出願が公表され、2021年1月にようやく品種登録されました。

 2017年にはJA全農とくしまで栽培が始まっており、大阪市中央卸売市場には2018(平成30)年1月に初出荷もされています。

 「阿波ほうべに」という名称は「徳島で生まれた豊かな収量で、鮮やかな紅色のイチゴ」という意味が込められているそうです。

◆阿波ほうべにの特徴

阿波ほうべに/アワノホウベニ いちご イチゴ

 「阿波ほうべに」の特徴は徳島県のホームページで以下のように紹介されています。

1.果実が平均して大きい。

2.果実が完熟しても硬めで流通性に優れる。

3.促成栽培で年内の収量が多い。

4.実の色は果皮が鮮やかな赤で果肉は白い。

 また、糖度は「さちのか」と同程度とのことです。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『- - - - -

 果実の大きさはかなり大、果実の縦横比は縦長、果実の形は円錐形、

 果皮の色は赤、果実の光沢の強弱は強、そう果の落ち込みは落ち込み小、

 果実のがく片の付き方は水平、果径に対するがく片の大きさは同等、

 果実の硬さはかなり硬、果肉の色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は中、季性は一季成りである。

 出願品種「阿波ほうべに」は、対照品種「かおり野」と比較して、葉柄の長さが中であること、果実の成熟期がやや早であること等で区別性が認められる。

 対照品種「和C19」と比較して、葉の大きさがやや大であること、花の数が多であること等で区別性が認められる。

- - - - - 』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた阿波ほうべにの食味

阿波ほうべに/アワノホウベニ いちご イチゴ

 今回入手した「阿波ほうべに」は3月下旬に大阪市の高級果実店で販売されていたもので、1パック税込み1,700円ほどでした。

 形はそれも丸みのある円錐で、全体に鮮やかな赤い色に色づいていてとても美しいイチゴでした。

 食べてみると、まず甘い香りが感じられ、果実は硬めでしっかりとした歯触りがあります。甘さは価格から期待されるほど強くはありませんでしたが、甘味酸味のバランスが良く、イチゴらしい味わいでした。

●「阿波ほうべに」の主な産地と旬

阿波ほうべに/アワノホウベニ いちご イチゴ

◆主な産地と生産量

 「阿波ほうべに」は徳島県のオリジナル品種として、現在徳島県内でのみ栽培出荷されています。

 まだ栽培が始まったばかりで生産量は少ないですが、今後徳島県では主力品種の「さちのか」を補完するいちごとして栽培に力を入れていくそうなので、今後に期待したいです。

◆阿波ほうべにの収穫時期と旬

  「阿波ほうべに」は基本的には冬場に旬を迎える促成イチゴとして開発された品種で、収穫は「さちのか」に比べて10~20日早い11月下旬から12月上旬に始まります。

 収穫の最盛期は12月から3月頃までと思われます。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
阿波ほうべに                        

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