さちのか/幸の香:いちごの品種
■さちのか/幸の香とは
●「とよのか」×「アイベリー」
「さちのか」は旧野菜・茶業試験場久留米支場(現農研機構九州沖縄農業研究センター野菜花き研究施設)において「とよのか」に「アイベリー」を交配して育成された促成栽培向きの品種で、2000年2月に品種登録されました。
「さちのか」は長崎県や和歌山県など広く各地で栽培出荷されており、2022年現在も多くの生産者がおり、市場でもよく目にする品種の一つです。
●さちのか/幸の香の特徴
「さちのか」の果皮の色は濃い鮮赤で、果形は長円錘、果実の大きさはやや大きめです。
果肉の色は淡紅色で、果心も淡赤色をしているので、ジャムやピューレにすると綺麗な濃い色のものが作れます。その分、熟しすぎると黒ずんだ赤になりやすいです。これはさちのかの特徴でもある酸化による黒変で、熟したものは収穫後時間と共に黒ずんだ濃い赤に変色してきます。
また、果肉はかなり硬く、輸送性、日持ち性に優れています。
香りはやや強く、味は酸味が穏やかで、甘みとのバランスが丁度良い感じ。もちろん好みや栽培環境によって違いはあります。
他のイチゴに比べ、ビタミンCが多く含まれているとされています。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果皮の色は鮮赤、果形は長円錘、果実の大きさはやや大、果肉色は淡紅、果心の色は淡赤、果実の光沢は良、果実の溝は少である。
果実の硬さはかなり硬、無種子帯はほとんどなし、そう果の落ち込みは落ち込み小、そう果のアントシアニン着色及びそう果数は中、果実の香りはやや多である。
可溶性固形分含量はかなり高、酸度はやや低、日持ちは長である。
「とよのか」と比較して、小葉が小さいこと、果形が長円錘であること、果実が硬いこと等で、「女峰」と比較して、小葉が小さいこと、果肉色が淡紅であること、果実が硬いこと等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
●ステビア農法で作られた「さちのか」も登場
千葉県では「さちのか」をステビア農法によって栽培し、「紅つやか」という商標で出荷しています。