■紅い雫とは?

●愛媛県のオリジナル品種

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 「紅い雫」は愛媛県農林水産研究所が「あまおとめ」を母、「紅ほっぺ」を父として交配し、得られた実生から選抜育成された品種で、2014(平成26)年6月25日に品種登録出願され2017(平成29)年に品種登録されました。この品種開発は2004(平成16)年から始められ、紅い雫が生み出されるまで10年の歳月がかけられてきたそうです。

 登録に先立ち、愛媛県では既に生産出荷が2014年から始まっており、現在、「紅ほっぺ」などからこの新しい品種への転換が進められているところです。

 「紅い雫」という名称は果実全体が赤く色付き、雫状の果形の良さに因んで付けられたそうです。

●愛媛県によるブランド化

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 「紅い雫」は県の主導の元ブランド化が進められ、県内で統一された基準をもとに選果され、基準以上の物はカラーロゴの入った専用の少量パックに詰めて高付加価値商品として出荷されています。その他の物は白黒のロゴを使用し一般的なイチゴと同じようなパックなどに詰められて出荷されます。

■紅い雫の特徴と食味

●紅い雫の特徴

愛媛県の資料によると「紅い雫」は糖度が高く、それに見合った十分な酸味を持った濃厚な味のイチゴとされ、果実全体が赤く色付き、果肉も赤い。また、果実が硬く完熟の状態で出荷しても傷みにくいとの事です。

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栽培においては収穫が11月中旬頃から始められ、5月まで長期間に渡って続けられるそうで、萎黄病など土壌病害にも強いとされています。

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 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさはかなり大、果実の縦横比はかなり縦長、果実の形は円錐形、

 果皮の色は赤、果実の光沢の強弱は中、そう果の落ち込みは果皮並、

 果実のがく片の付き方は水平、果径に対するがく片の大きさはやや大、

 果実の硬さはやや硬、果肉の色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は中、季性は一季成りである。   

 出願品種「紅い雫」は、対照品種「紅ほっぺ」と比較して、頂小葉の基部の形が鋭角であること、果柄の長さがやや短であること、そう果の落ち込みが果皮並であること等で区別性が認められる。

 対照品種「さがほのか」と比較して、頂小葉の基部の形が鋭角であること、そう果の落ち込みが果皮並であること、果心の色が淡赤であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

●実際に食べてみた食味

 2022年に撮影試食した物は12月25日に愛媛県今治市内の直売所で購入した平均46gの大粒のパックと平均20.4gの13粒入りのパックでいずれも同じバリューファームさんのものでした。

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 いちごは大粒の方も小さい方もいずれも全体に着色しており、小粒の方は形も綺麗な円錐形で整っていました。

 食べてみると果肉はしっかりとした食感があり、イチゴの華やかな香りとともに甘味が広がりとても美味しいいちごでした。計った糖度は大粒の方が14~14.9%、小粒の方は12.7~15%でした。


 2016年に撮影試食した物は2月7日に購入した白黒ロゴの物でした。そのせいか、甘さという面ではインパクトに欠ける感じでした。しかし、色や形などの外観はとてもよく、また、しっかりとした食感がありました。香りは強くはないです。

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 色や形が良く、硬めで傷みにくいという面ではお菓子のトッピングに使いやすい品種となっています。

●紅い雫の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 「紅い雫」は愛媛県のオリジナル品種として愛媛県内でのみ栽培されています。

 県内の栽培面積は平成29年度4.5ha、令和2年度には5.7haと年々広がっているようです。

◆紅い雫の収穫時期と旬

 「紅い雫」の収穫は11月下旬頃から始まり、クリスマスの時期にもいい状態のいちごが出荷でき、6月までの長期間安定して果実が収穫できるのが特徴となっています。

 沢山出回るのは12月から3月にかけてです。味的にはある程度日照時間が長くなる2月以降が糖度もあがりやすく美味しいです。4月以降も美味しいのですが、気温が上がり日持ちが悪くなります。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
紅い雫                        
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< 出 典 >

 ※ 「いちご新品種「紅い雫(あかいしずく)」 」H26 中予地方局産業振興課普及だより

 ※ 「イチゴ新品種‘紅い雫’の育成とその特性」愛媛県農林水産研究所企画環境部・農業研究部研究報告 7号 p.1-7 2015年3月

 ※ 「甘くておいしい愛媛のイチゴ‘紅い雫’をよろしく」愛媛県農林水産研究所

 ※ 「登録番号25595 紅い雫」 農林水産省品種登録データベース

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