あまおとめ<イチゴの品種
■あまおとめとは?
●愛媛県のオリジナル新品種
「あまおとめ」は愛媛県農業試験場において、「とちおとめ」に「さがほのか」を交配し、生まれた実生から選抜育種したもので、2006(平成18)年に新品種として出願 2009(平成21)年に品種登録されました。
農研機構のサイトによると、愛媛県ではこれまで「紅ほっぺ」をはじめ「さがほのか」や「さちのか」など様々な品種が作られていたため、ロットがまとまらず、また、12月の早い時期に出荷できる品種が無く、競争力の点で劣っていたようです。それを克服するため、オリジナル品種の開発に取り組み生まれたのがこの「あまおとめ」だそうです。
この「あまおとめ」は極早生種で11月下旬頃から収穫でき、年内の収量が多い特徴を持っているとの事です。
●あまおとめの特徴
「あまおとめ」の果実は大きめでやや縦長の円錐形です。果皮の色は鮮やかな紅色ですが、厳冬期は色付きがやや悪く、ガクの近くが着色しきらず白っぽいものも多く見られます。表面は艶やかでそう果(種のようなゴマ状の部分)の落ち込みは小さめです。
「あまおとめ」の果肉の色は外側は橙赤色で、中心部は白いです。また、中心の空洞はあっても極小さめです。味は糖度が高めで甘いですが、酸味もしっかりとあって美味しいです。食べた時に強いイチゴフレーバーが鼻に抜けていく感じで、イチゴを食べた満足感を高めてくれる感じです。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『- - - - - -
果実の縦横比は縦長、果実の大きさはかなり大、果形は円錐、
果皮の色は鮮紅、果実の光沢は強、そう果の落ち込みは落ち込み小、
がく片の着き方は離、果径に対するがく片の大きさはやや大、
果実の硬さは硬、果肉色は橙赤、果心の色は白、果実の空洞は小、季性は一季成りである。
出願品種「あまおとめ」は、対照品種「とちおとめ」と比較して、葉柄の長さがかなり長であること、果肉色が橙赤であること、がく部の着色の難易がやや難であること等で区別性が認められる。
対照品種「さがほのか」と比較して、草姿が立性であること、花房当たりの花数が中であること、果肉色が橙赤であること等で区別性が認められる。
- - - - 』以上、抜粋。
●あまおとめ主な産地
「あまおとめ」は愛媛県のオリジナル品種として、愛媛県内で栽培出荷されています。また、JAおちいまばりでは、「寒じめ」という、厳冬期にあえて低温にあてることで、いちご自らが糖分やミネラル分の濃度を高めようとする働きを利用した栽培方法も行われています。