●カルダババナナの分類と特徴
◆カルダババナナとは
分類:ショウガ目 > バショウ科 > バショウ属
学名:Musa acuminata × balbisiana (ABB Group) 'Cardava'
英名:Cardava bananas
和名:カルダババナナ
カルダババナナは”Musa acuminata”(マレーヤマバショウ)と”Musa balbisiana”(リュウキュウバショウ)のハイブリッドで三倍体のABBタイプ雑種バナナです。一見同じように見えるサババナナと混同されがちですが、ごく近い近縁種で、いずれも同じサバ・サブグループに分類される別種とされています。
サババナナ同様、主に調理用とされますが、本種は追熟させれば生食でも美味しく食べられます。
フィリピンの名物料理として知られるバナナキュー(Bananaque)やトゥロン(Turon)にはサババナナと同じようにこのバナナも使われていますが、サババナナより大きいものが多いので、バナナチップスには本種が主に使われているようです。
日本にも輸入されてはいますが、一般のスーパーなどに並んでいることは稀で、あったとしても食べ方がわからず、手に取る方は少ないようです。もし、次に見かけたら是非一度買ってみてはいかがですか。
◆カルダババナナの特徴
カルダババナナはサババナナとよく似ていますが、それよりもやや大きい傾向があります。とは言え、一般的なキャベンディッシュ系に比べると果実は短く、そして太いので、ずんぐりとした形をしています。
上の写真を見ると分かりますが、バナナの果実の断面は五角形をしているのが特徴です。
皮はやや厚みがあり、ナイフで切り込みを入れないと簡単には手で剥けません。
中に果肉はクリーム色で、肉質はでんぷん質が多く緻密で未熟なうちは甘味が少なく酸味があり、加熱調理すると芋のような食感になります。
一般的なキャベンディッシュ系のバナナは皮をむいてカットすると茶色く変色してきますが、のように茶色く変色しにくい
◆追熟したカルダババナナの食味
カルダババナナは十分に追熟させると、生のままでもデザートバナナと同じように美味しく食べることができます。
写真はまだ皮が緑色の状態のものを購入し、19日間、追熟させたもの。追熟させる期間は購入時の状態によって違います。
上手く追熟させるには、むき出しの状態で吊るしておくのではなく、バナナから発するエチレンガスがまんべんなく全体にいきわたるように新聞紙などにくるんで袋に入れ、冷暗所に置いておきます。皮の色が全体に黄色くなったら食べ頃となります。また、皮が真っ黒に近い状態になるまで美味しく食べられます。皮は真っ黒でも、中の果肉は黄色味を帯びたクリーム色で、幾分柔らかくなっています。
十分に追熟させた果肉はネットリとした舌触りで甘く、優しい酸味もあり濃厚な味わいです。香りはフルーティーですがキャベンディッシュ系とは少し違います。今回のものはBrix糖度計で計ったところ25.5%ありました。
◆カルダババナナの美味しい食べ方
まだ皮の色が緑色の未熟なカルダババナナは加熱調理することで美味しく食べることができます。
フィリピンではバナナキュー(Bananaque)やトゥロン(Turon)などスイーツ的な食べ方の他、ジャガイモと同じようにシチューのような煮込み料理にも使える他、バナナチップスに加工されることも多いです。
バナナキューやトゥロンの調理例はサババナナのページで紹介しているので参考にご覧ください。実際に食べてみたサバ・バナナの食味 →
●カルダババナナの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
カルダババナナの主な産地はフィリピンです。インドネシアやタイなどでも栽培されているようですが、国内に輸入されているものはほぼフィリピン産だと思います。
◆カルダババナナの収穫時期と旬
サババナナは熱帯地方の果物で、年間通して収穫出荷されているので旬は特にありません。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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カルダバ・バナナ |
< 出 典 >
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