●ロンガン(竜眼)の分類と特徴
◆ロンガン(竜眼)とは
分類:ムクロジ目 > ムクロジ科 > リュウガン属 > リュウガン
学名:Dimocarpus longan L.
英名:Longan
和名:りゅうがん、ろんがん、龍眼、竜眼
「リュウガン」あるいは「ロンガン」と呼ばれる果物はライチと同じムクロジ科の常緑小高木になる果実で、中国ではこの果実の皮をむいた状態を龍の眼に見立て、「龍眼」と呼ばれるようになりました。日本ではこれを音読みした「リュウガン」と呼ばれるようになったのですが、より中国での読み方に近い「ロンガン」という名称もよく使われています。漢字の表記も「龍眼」、「竜眼」いずれもみられ、どちらが正しいという訳ではなく、日本では漢字「龍」と「竜」が同じ意味として扱われ、「龍」は旧字体で常用外漢字として扱われ、その新字体として略字である「竜」が常用漢字になっているためだと思われます。
◆特徴いよいよベトナム産「龍眼」の輸入解禁
「龍眼」はこれまで冷凍品や乾燥品は輸入されていましたが、防疫上の問題でフレッシュの果実は輸入できませんでした。日本でフレッシュの果実を食べるには、極極わずかに国内で栽培されている物を入手するしかなかったのです。
それが2022(令和4)年11月18日に、ベトナム産の果実に関し、一定の条件を満たせば輸入することが可能となりました。
実際に生の果実が輸入され、市場に出始めたのは2023年になってからです。
◆ロンガン(竜眼)の特徴
「龍眼」の果実は丸く、ライチの果実によく似ていますが、直径2〜2.5cmとライチよりは小さく、果皮表面は黄褐色で凹凸はほとんどなくさらっとしています。
皮はライチよりは柔らかく、中の果肉は半透明な果肉と、その果芯に黒褐色の種子が入っています。
果肉の食感はライチと似ており、甘味が強く独特の風味があります。
◆実際に食べてみたロンガン(竜眼)の食味
撮影試食した龍眼は4月21日に届いた450g×3pcです。1pcあたり1,230円(税別)ほどでした。
龍眼の果実は触った感触が柔らかく、指で挟むと弾力があるものと皮が凹む物もありました。
皮を剥いてみると中からライチのような、ライチより少し透明感が強い果肉が出てきます。よく見ると皮と果肉の間にわずかに隙間があり、この隙間が大きい物は果実の大きさに対して果肉が小さい訳で、こうしたものが皮が凹む物がある理由なのだと分かりました。皮が凹んでいても中の果肉が傷んでいる訳ではないようです。
皮を剥いて皿に並べてみると大きさ的には丁度ぶどうの巨峰位です。
食べてみると果肉はとても甘く、酸味はほとんど感じられず蜜のような味でした。食感はライチとよく似ていますが、香りが違いライチのような酸味もなく独特な風味に感じました。計ってみた糖度は20%前後もあり、とにかく甘いフルーツです。
撮影試食した龍眼はライチに比べ種子が小さめなので、果実自体は小粒ですが食べ応えはありました。ただ、種子の大きさは時期や産地などによって大きいものもあるようです。
●ロンガン(竜眼)の選び方と保存方法
◆選び方
なるべく実が大きく、表面に傷がないこと、また果皮が凹んでいるものがあまりない物を選びます。果皮が凹んでいるものは中の果肉が小さいかもしれません。
また、パックの底に果汁が垂れているようなものも避けましょう。
◆保存方法
乾燥しないようポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜庫に入れて保存します。
常温の冷暗所でも2~3日は持ちますが、傷みやすいので冷蔵庫をお勧めします。
◆冷凍保存
冷凍品で輸入されている物は冷凍ストッカーなどで保存します。フレッシュのものを家庭で冷凍保存することは出来なくはないですが、瞬間冷凍の能力が家庭の冷蔵庫と業務用途では違うのであまりお勧めはしません。
家庭で冷凍すると解凍時に果汁が染み出しやすく、果肉の食感もかなり落ちます。ただ、皮をむいて冷凍し、凍ったままフルーツポンチなどに加えるような使い方なら果汁の損失もなくそこそこ美味しく食べられそうです。
●ロンガン(竜眼)の美味しい食べ方
◆生のまま皮をむいてそのまま食べる
龍眼は皮をむいてそのまま食べるのが一般的です。皮も比較的剥きやすいですが、少し切り込みを入れておくとさらにむきやすくなります。
龍眼は皮を剥いてしばらくすると果汁が少し茶色っぽくなります。皮をむいたらなるべく早めに食べるようにしましょう。
皮をむいて、半分に切り、中の種子を取り除いたものをあんみつやフルーツポンチなどに加えて食べるのもお勧めです。
●ロンガン(竜眼)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ロンガンは中国南部や台湾、タイ、インドネシア、ベトナムなど東南アジア諸国で栽培され親しまれています。
国内でも沖縄をはじめ鹿児島など温暖な地域でわずかに栽培されていますが、生産量は微々たるものです。
◆ロンガン(竜眼)の収穫時期や輸入期間と旬
ロンガンは秋口に実をつけますが、ベトナムなど熱帯地方では通年収穫され出荷されているようです。
本来の旬は6~8月となっています。
今後通年市場に出回るようになるのかもしれませんが、フレッシュ物の輸入は始まったばかりなので、まだ輸入量の季節変動などは分かりません。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロンガン/リュウガン |
< 出 典 >
※ 「果物の大図鑑」マイナビ出版 p.246
※ 「ベトナム産りゅうがんの生果実に関する植物検疫実施細則」植物検疫所 農林水産省
当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。