■桝井ドーフィンとは?
桝井ドーフィンは国内で最も広くそして多く作られている一般的なイチジクの品種です。夏秋兼用果で、夏果は6月下旬頃から7月上旬頃に収穫され、秋果は8月中旬頃から10月にかけて収穫されます。
●桝井ドーフィンの来歴
広島県佐伯郡宮内村(現・廿日市市)出身の桝井光次郎氏が1908(明治41)年にアメリカから持ち帰った北米産のイチジク・ドーフィン種を育苗し「ドーフィン」として各地に販売したが、当初のものは夏果しか穫れない「ビオレ・ドーフィン」だたようで、その後本来の「ドーフィン」を取り寄せ導入したところ、夏秋いずれも実が付き、夏果の形状もそれまでのものとは異なることなどから、区別するために「桝井ドーフィン」という名称で販売した、というのが「桝井ドーフィン」という品種名の由来で、正式な品種は「ドーフィン」という事になります。
当時国内で作られていた蓬莱柿(ほうらいし)などに対し果実が大きく、また収量も多いこと、果皮がしっかりとしていて輸送性に優れていることなどから全国に一気に広がり、現在では国内のイチジクの約8割を占めるまでになっています。
◆桝井ドーフィンの特徴
「桝井ドーフィン」の果実は果形はしずく型で、大きさは夏果と秋果で少し違いがあり、夏果は100~200gと大きく、秋果は50~110gと一回り小さい傾向があります。
果皮色は地色は黄緑色で濃い赤紫色に着色しやすい。
果肉は果皮に白い部分は栽培環境によって厚めのものから薄いものまで幅が見られます。その内側についている花(雄花と雌花)は熟したものは淡い赤色をしています。
◆桝井ドーフィンの食味
「桝井ドーフィン」に限ったことではありませんがいちじくは追熟しません。木でどこまで熟したものかで味わいには大きく差が出てきます。一般的に、スーパーに並んでいるものの多くは輸送と日持ち性の都合で完熟間際の状態で収穫されています。そのため甘みはあっさりとしたものが多い傾向にあります。
木に付けたまま完全に熟してから収穫されたものは果実が柔らかく、輸送には不向きですがねっとりと舌にからみ、甘みもしっかりとあります。ただ、くどい甘みではなく後口はさっぱりとしているのが特徴です。
●桝井ドーフィンの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「桝井ドーフィン」の主な産地はいちじくの産地と同じと考えていいでしょう。
主な産地は愛知県、和歌山県、兵庫県、大阪府などです。
●桝井ドーフィンは各地でブランド化も進められています
「朝採りの恵み」(兵庫県)・・・兵庫県川西市で作られているいちじくで、樹上完熟させたものを早朝に収穫し出荷されている。
大沢野いちじく(富山県)・・・富山市大沢野地区で作られているいちじく。
にしみのいちじく(岐阜県)・・・岐阜県海津市で作られているいちじく。JAにしみのが、管内の農産物をにしみのブランドとして出荷している。
◆桝井ドーフィンの収穫時期と旬
「桝井ドーフィン」は夏秋兼用果で、夏果は6月下旬頃から7月上旬頃に収穫され、秋果は8月中旬頃から10月にかけて収穫されます。
夏果と秋果では実の大きさや味わいに差が出やすく、一般的には夏果の方が大きくて味も良いと言われています。これは前年に伸びた枝に秋に花芽が付き、冬を越してから初夏に実が成熟する夏果の方が木に成っている期間が長くじっくりと栄養を蓄えられるからだと考えられています。
品種 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||||
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夏果 | |||||||||||||||
秋果 |
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