香夏錦/こうかにしき<さくらんぼの品種
■香夏錦とは?
●「佐藤錦」×「高砂」
香夏錦は佐藤正光氏が福島県福島県伊達郡伊達町(現伊達市)において1968(昭和43)年に「佐藤錦」に「高砂」を交配した実生から選抜し、翌1969(昭和44)年に播種、1975(昭和50)年初結実したもので、1982(昭和57)年に登録出願、1984年に品種登録されています。
品種登録者は山形県の株式会社天香園となっています。
●香夏錦の特徴
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『- - - - - - -
「佐藤錦」と「高砂」との交雑実生で、育成地(福島県伊達郡伊達町)において5月下旬成熟し、甘酸適和の食味良好な早生のおうとうである。
果実は短心臟形で、果実の大きさは1果平均6g程度で中、玉ぞろいは良い。
果皮は黄色赤斑に着色するが、着色の濃さは中程度である。
切った直後の果肉は乳白色で、果肉内及び核周囲の着色はない。
果肉は軟らかく、ち密で、果汁は多い。甘味は多く、酸味少ない。
核は粘核、円形に近い短楕円形で、やや大きい。
成熟期は育成地において5月27~28日頃で、満開30~40日の範囲にあり、「高砂」より1週間程度、「佐藤錦」より10日程度早い。
裂果は入梅以前に収穫されるため少ないが、中程度とみられる。
「佐藤錦」及び「高砂」と比較して、開花期・成熟期がともに早いこと等で区別性が認められる。
- - - - - - - 』以上、抜粋。
●香夏錦を実際に食べてみた食味
今回入手したものは長野県産で、4月中旬に販売されていたものです。日本のさくらんぼらしい色合いで、触った感じが軟らかい。
食べてみると、果肉は柔らかく緻密で、優しい甘さとみずみずしさが口に広がり、酸味はあまり感じられませんでした。この時期に出回る品種の特徴なのかハウスものだからなのかは分かりませんが、もう少し甘味が欲しい感じがしました。
■香夏錦の主な産地と旬
●主な産地と生産量
香夏錦は古い品種で、各地で栽培が行われていますが、中でも主な産地は長野県や山形県となっています。長野県ではハウス栽培が進んでいます。
●香夏錦の収穫時期と旬
香夏錦は早生種で、収穫時期は福島県県や山形県では5月下旬頃から6月いっぱい位となっています。一方、長野県ではハウス栽培が行われ、一足早く、3月下旬頃から収穫が始まり5月中旬頃まで続くようです。
本来の旬という意味では露地物の出回る6月初旬から中旬にかけてとなります。
香夏錦 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | ||||||||
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長野県(ハウス物) | ||||||||||||
山形県 |