ルビーロマン/RubyRoman<ブドウの品種
■ルビーロマンとは?
●石川県のオリジナル品種
「ルビーロマン」は石川県が開発した極めて大粒のブドウ品種で、その品種の特性を活かしたブランド化が進められ、「ルビーロマン」の名称やロゴも商標登録され、高い品質を維持しています。
「ルビーロマン」の価格も年々高くなってきているようで、2022年に大阪の百貨店で見かけた時には、一房35,000円前後で販売されていました。このところ毎年のように初セリの価格も話題にあがるようになりましたが、2022(令和4)年の初セリでは、最高で一房150万円もの値がつけられたそうです。
●「ルビーロマン」の来歴
「ルビーロマン」は2007(平成19)年に農林水産省に品種登録もされています。品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『- - - - - - 平成7年に石川県砂丘地農業試験場(現石川県農業総合研究センター砂丘地農業試験場、かほく市)において、「藤稔」の自然交雑種子をは種し、その実生の中から選抜、以後、増殖を行いながら特性の調査を継続し、16年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したもの- - - - - - 』
1995(平成7)年に「藤稔」が自然交雑してできた種400粒を蒔き、その中から選抜育成されたそうです。種をまいてから10年後の2005(平成17)年に登録出願されています。
ルビーロマンという名称は639通の一般公募の中から選ばれたそうです。
●ルビーロマンの特徴
品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『----------
果房の形は有岐円錐、大きさは大、長さは長、着粒の粗密はやや密、果梗の太さはやや太、長さは中、色は黄緑である。
果粒の形は短楕円、大きさは極大、果皮の色は赤、果粉の多少はかなり少、果皮の厚さは中、果皮と果肉の分離性は易、果肉の色は不着色、肉質は塊状、甘味は高、酸味は少、渋味は無~極少、香気はフォクシー、果汁の多少は多、種子の数は少、形はやや短、大きさは大である。
発芽期及び開花期は中、成熟期は早で育成地においては8月下旬である。
果実の着色の難易は散光着色、裂果の多少は少である。
「安芸クイーン」と比較して、果粉が少ないこと、肉質が塊状であること等で、「藤稔」と比較して、果皮の色が赤であること等で区別性が認められる。
----------』 以上、抜粋。
●実際に食べてみた食味
今回入手した物は一房700g超の「秀G」でした。流石にGグレードというだけあって、一粒の大きさがピンポン玉程もありました。
果粒は房にしっかりと付いていて、一粒一粒触った感じも固く張りが感じられます。
皮は手で簡単に剥けますが、それほど厚みは無くエグミなどもほとんどないので果肉と共に食べても気になりませんでした。一粒口に・・・といっても、大きすぎて一口では食べられないほどです。 しかも、価格を考えてしまうとなおさらです。
果肉は繊維質を感じない肉質で適度な歯触り舌触りでほぐれる感じです。そして、むせる程強烈な甘みが口の中いっぱいに広がりました。酸味が少なく、その分甘さが喉に引っかかる感じがします。
価格もさることながら、食べると、この大きさと甘さにびっくりし、感動すること間違いないです。
また、プレミアムというグレードは粒の重さがすべて30グラム以上で房全体の重さが700グラム以上などのさらに厳しい基準が設定されています。
■ルビーロマンの主な産地と旬
●主な産地と生産量
ルビーロマンは石川県のオリジナル品種として、石川県内でのみ栽培出荷されています。
石川県とJA、そして生産者が一丸となってブランド化を進め、高付加価値、高価格な超高級ぶどうとして扱われており、ひと箱ごとに生産者や箱詰めの責任者などが記載されています。
平成22年には東京市場へも出荷が始まり、その年の出荷量は4,814房で3tとなっていて、年々その生産量は増えてきています。平成24年産は政府のデータには13.5tとなっています。平成28年には生産技術も進み、23,495房にも増加しています。
●ルビーロマンの収穫時期と旬
収穫は7月下旬頃から始まり10月初旬頃までとなります。
初セリは産地の金沢で7月中旬頃で、その後7月20日ごろに東京や大阪などの市場に出荷が始まります。
品種 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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ルビーロマン |
< 出 典 >
※ 「Ruby Roman」 JA全農いしかわ
※ 「登録番号15020 ルビーロマン」 品種登録データベース 農林水産省ホームページ