●紅秋光とは
「紅秋光」は秋田県横田市で発見された「三島ふじ」の枝変わりとされる、濃紅に着色する大玉で高糖度のりんご品種です。横田市を中心とした地域でしか作られていない希少な品種となっています。
◆紅秋光の来歴
「紅秋光」はかつて全国一のりんご専門農協であった平鹿果樹農協の指導部長をされていた秋田県横手市の千田宏二氏が、2000(平成12)年に自園の「三島ふじ」(秋田県平鹿郡三島で発見された「ふじ」の着色系枝変わり品種)の枝変わりを発見し、それを接ぎ木し育成した、濃紅に着色する大玉で高糖度のりんご品種です。
千田氏は本種の品種登録はせず、このリンゴの優れた果樹特性から、秋田県の果樹協会の増殖・販売促進に対しても、地域に貢献できるのであればと快く協力されたそうです。
「紅秋光(べにしゅうこう)」という名称は、2013(平成25)年に千田氏によって商標登録されています。
◆紅秋光の特徴
「紅秋光」の果実は「ふじ」と同じくらいかやや大きめで、形はやや縦長の丸い形で王冠も無く、「ふじ」とよく似ています。
果皮色は全体に濃い赤色に着色し、やや大きめで目立つ白い果点が全体にみられます。
果肉の色は黄白で、硬さは「ふじ」と同じくらいで、蜜入りになることもあるようです。糖度が14~17度と高い傾向があり、酸味のバランスも良く食味良好なリンゴです。
栽培面においては、収量が多い上、着色がよく、多少葉で日陰ができても全体に赤くなり、葉摘みなどの作業が軽減されるよのこと。また、ふじ系統にありがちなつる割れが発生しにくく歩留まりも良いそうです。
◆実際に食べてみた紅秋光の食味
撮影試食した「紅秋光」は12月29日に4個980円(税別)で購入した秋田県産のもので、果実重は360g前後でした。
果実は全体にしっかりと赤く着色しており、その色は「ふじ」より明らかに濃い色でした。
袋からはりんごらしい華やかな香りが強く出ており、切る前から期待感が膨らみます。
半分に切った断面には蜜はみられませんでしたが、収穫されたばかりの頃にはあったのかもしれません。食べてみると、軽やかな歯触りで甘く、その甘味を引き立てるように酸味が支えている感じがしました。果汁感も強く、価格以上の味わいでした。計ってみた糖度はいずれも15%を超えていました。
●紅秋光の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
紅秋光は秋田県横田市で発見されたリンゴ品種で、品種登録はされておらず、この地域のみで栽培出荷されています。また、「紅秋光」という名称も登録商標なので無断で使用することはできません。
栽培面積は農林水産用の特産果樹生産動態等調査にも記録がなく不明ですが、秋田県の一部市域で作られているだけで、出荷量も少なく希少な品種となっています。
◆紅秋光の収穫時期と旬
「紅秋光」収穫時期は11月中旬から始まり、年内いっぱい出荷されているようです。
品種 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||||||||
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紅秋光 |
< 出 典 >
※ 「時代を語る・千田宏二(30)「紅秋光」を選抜育成」秋田魁新報 2019年5月9日
※ 「登録番号第5595682号 紅秋光」 商標出願・登録情報 特許情報プラットフォーム 特許庁
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