秋田紅あかり:来歴や特徴と産地や旬
●秋田紅あかりとは
◆秋田県で育成された品種
秋田紅あかりはその名の通り、秋田県の果樹試験場においてその圃場でできた自然交雑実生の中から1996(平成8)年に発見された実生を秋田県の果樹試験場で育成された品種で、2002(平成14)年に秋田県によって登録出願され2005(平成17)年に品種登録されています。
交雑親はいずれも不明となっていますが、その後の遺伝子解析により、S1とS2の遺伝子が確認され、それぞれの遺伝子を持つ品種との交雑が予想されているが、明確な品種までは分かっていないようです。
秋田県が主として育成したことから栽培地は数年間は秋田県内のみに限定されています。
秋田紅あかりは大玉で外見に特徴のある、秋田県では10月下旬に成熟する晩生種のリンゴとなっています。
◆秋田紅あかりの特徴
秋田紅あかりはやや背が高い果形のものが多い傾向があり、果皮色は明るい赤で、果点がやや大きく、浮き上がって見えるのが特徴的です。
糖度は高めで酸味が少なくジューシーで食味良好となってます。
また、貯蔵性も高く、冷蔵で2月一杯、常温で年内一杯貯蔵が可能だそうです。
農林水産省の品種登録データには以下のように記載されています。(画像は当サイトで撮影したもの)
『-----
果形は長円、王冠は無、がくの開閉、がくあの深さ、幅、こうあの深さ及び幅は中、果実の大きさは大、果皮の地色は黄緑、果皮を被う色は赤、量は多、強さは濃、着色部縞模様の多少は無、さびの位置はこうあ、量は中間、さび状果点は有、果点の大きさは大、密度は高、スカーフスキンは多、果皮のろう質は中、ひびは有、粗滑の程度は中である。
果梗の長さ及び太さは中、肉こうの有無は無である。
果心の形は円錐、大きさは中、果肉の色は黄白、褐変化、硬さ及び肉質は中、蜜の多少は無~僅、甘味は高、酸味は弱、渋味、香気及び果汁の多少は中、種子の形は倒卵、大きさは小である。
発芽期及び開花期は中、成熟期は晩で育成地においては10月下旬である。
結果の早晩は中、後期落果は無~僅、普通貯蔵及び冷蔵貯蔵は長、心かびの発生は無~僅である。
「ふじ」と比較して、果皮を被う色の強さが濃いこと、果皮のひびが有ること等で区別性が認められる。
-----』 以上、抜粋。
◆実際に食べてみた秋田紅あかりの食味
今回試食したものは12月上旬に入手したものです。
果皮は確かに色味がよく、加点が浮いて見えます。
果肉はとてもジューシーで、歯触りはしっかりとしていますが硬くは感じない程度で、甘味もしっかりとあり控えめな酸味が後口をすっきりとさせてくれるようなリンゴでした。
●秋田紅あかりの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
期限は分かりませんが、今なお秋田県限定のリンゴとなっています。ただ、この先解禁されたとしても、品種名に秋田と付いているので他の産地としては栽培しにくいかもしれません。
◆秋田紅あかりの収穫時期と旬
秋田県での収穫は10月下旬から11月上旬となっています。このリンゴは貯蔵性もふじと同等かそれ以上に良いようなので、今後生産量が増えていけば長い間店頭に並ぶようになるかもしれません。
今のところ、まだ生産量は多くはなく、食べごろの旬は10月下旬から12月ごろまでとなっています。
品種 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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秋田紅あかり |