●いちごさんとは

◆佐賀県生まれの新品種

 「いちごさん」はブランド商標で、正式な品種名は「佐賀i9号」といいます。

 この「佐賀i9号」は佐賀県とJAグループ佐賀、いちご生産者が力を合わせ、佐賀県農業試験研究センターにおいて7年もの月日をかけて開発されたイチゴで、なんと15,000株ものいちごの中から選抜されたそうです。交配親となった品種は「佐系14号」と「やよいひめ」とされています。

いちごさん/佐賀i9号 イチゴ 苺

 2016年に佐賀県によって登録出願、2018年に品種登録されたばかりの新品種で、同年10月にブランド名「いちごさん」が発表され、11月15日に佐賀県内て、12月には東京の中央卸売市場へも初出荷されました。

 佐賀県のイチゴといえば「さがほのか」が全国的に有名ですが、「いちごさん」はそれから20年ぶりの新品種ということで注目されています。

 ブランド名「いちごさん」の名称は『長く愛されるいちごとなることを願って、呼びやすくて覚えやすい、清々しさとインパクトを合わせ持つ名前』として決められたそうです。

 いちごさんのホームページには「眺めてうっとり、かじって甘い。」というキャッチコピーがあります。

いちごさんホームページ https://www.saga-ichigosan.jp

◆いちごさんの特徴

いちごさん/佐賀i9号 イチゴ 苺

いちごさんのホームページには大きな特徴として3つ挙げられています。

「凛とうつくしい色と形」

「華やかでやさしい甘さ」

「果汁のみずみずしさ」

農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさはかなり大、

 果実の縦横比は縦長、

 果実の形は卵円形、

 果皮の色は赤、

 果実の光沢の強弱は強、

 そう果の落ち込みは落ち込み中、

 果実のがく片の付き方は上向き、

 果径に対するがく片の大きさは大、

 果実の硬さは硬、果肉の色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は無又は小、

 季性は一季成りである。-----』 以上、抜粋。

◆実際に食べてみたいちごさんの食味

いちごさん/佐賀i9号 イチゴ 苺

 今回入手したものは一般向けにパック詰めされたもので、ひとパック550円でした。

 イチゴの外見は全体に赤く色づいておりとても艶やかです。

 切った断面をみると中の果肉は果芯部まで淡い赤です。

 食感は硬すぎず柔らかすぎずイチゴらしい歯触りでジューシー。味はいくつでも食べられる甘さでイチゴの甘い香りが鼻に抜けていく感じでとても美味しいイチゴでした。

●いちごさんの主な産地と旬

いちごさん/佐賀i9号 イチゴ 苺

◆いちごさんの主な産地と生産量

 「いちごさん」は佐賀県の品種で、現在は佐賀県のみで栽培出荷されています。2018年は県内て166戸、約18ヘクタールで栽培されているようです。今後一気に広がっていくことでしょう。

 当面の間は佐賀県の身に限定されると思いますが、その先に関しては「さがほのか」のように県外許諾もされるのかもしれません。その時には品種名ではなく、おそらく産地でのブランド名で出荷されると思われます。

< 出 典 >

 ※ 「イチゴ新品種‘佐賀i5号’および‘佐賀i9号’の育成」佐賀県農業試験研究センター研究報告 第39号(2017)

 ※ 「登録番号26987 佐賀i9号」 農林水産省品種登録データベース

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