■ブラッドオレンジとは
●ブラッドオレンジとは果肉が紅いオレンジの総称
ブラッドオレンジと呼ばれているものは、果肉が紅いオレンジの総称で、その名の通り血のような赤い色をしています。この色はアントシアニンによるもので、一般的なオレンジに比べ、抗酸化効果が強いと考えられます。
主なものにはサングイネッロ/サンギネロ(Sanguinello)種やイタリアのタロッコ(Tarocco)種、シチリアのモロ(Moro)種などがあります。
また、別種にはなりますが、「カラカラ・ネーブルオレンジ」も果肉が赤味を帯びていることから「ルビーブラッドネーブル」などとも呼ばれています。
タロッコジュースやブラッドオレンジジュースは日本でも良く見かけるようになりました。濃縮還元ではなく、絞ったまま無添加で冷凍されたものがイタリアから輸入されています。
■ブラッドオレンジの主な品種
●モロ種
モロ種はシチリア島東部のカターニア平原で作られてきたオレンジで、ブラッドオレンジの中では最も赤みが強い品種です。
果実はやや小ぶりで、表皮も赤い色が付いているものが多く、果肉の色もタロッコよりも濃く、美しいというよりもややどす黒い赤で、まさにブラッド(血)の色を思わせます。
2022年に撮影した愛媛県産のものは果重120g前後と小ぶりの物で、果皮も赤く、果肉は房のまわりが赤く、房の中央はオレンジ色に近い色合いでした。
食べてみた食味はバレンシアオレンジなどとは明らかに違い、甘さが特に強い訳ではないのですが濃厚な味わいです。糖度は12.3度前後でした。
●タロッコ種
イタリアでポピュラーなオレンジで、スペインのサングイネッロ種が変異したものとも言われています。
ブラッドオレンジの中では最も甘みが強く、それを支える酸味もあってとても濃厚な味が特徴です。色的には最も薄く、ほんのりと赤紫がさす程度ですが、ジュースの美味しさには定評があり、世界的にも人気があるオレンジです。
国内でも和歌山などで生産されており、近年スーパーなどでも見かけるようになりましたね。ここに掲載している画像は和歌山産の物です。
2022年に撮影試食したものは和歌山県産で果重236gほどのものと181gほどのものでした。
果皮色はネーブルオレンジより若干濃い程度で赤味はありませんが、中の果肉は果皮近くとサジョウの外縁が赤色でした。
食べた食味は強い甘みとそれに見合った酸味がありとてもバランスがよく、香りもしっかりとあってとても美味しいオレンジでした。計った糖度は17度近くありました。
●サングイネッロ種
サンサングイネッロ種はスペインが原産とされるオレンジで、モロ種と似ていて、同じように皮の部分にまで赤みが出ています。
■ブラッドオレンジの主な産地と収穫時期と旬
●国内の産地
国内では、タロッコ種とモロ種が栽培されています。農林水産省の特産果樹生産動態等調査によるとタロッコオレンジは2019(令和元)年、愛媛県265.3トン、香川県2.3トンとなっています。ちなみにその10年前の2009(平成21)年でみると愛媛で31トン、大分で6トンとなっていたので、愛媛県での栽培量がかなり増えています。その他和歌山県などでも作られています。
一方、モロオレンジは2019(令和元)年は愛媛県123.7トンのみとなっています。
●国産オレンジの収穫時期と食べ頃の旬
国内産のタロッコオレンジは2月下旬頃から収穫が始まり出荷は3月中旬から4月初旬に出荷されます。
モロオレンジはタロッコよりも少し早く2月上旬頃から収穫され3月末頃まで出荷されます。
●ブラッドオレンジの旬カレンダー
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||||||||||
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国産モロ種 | |||||||||||||||
アメリカ産モロ種 | |||||||||||||||
国産タロッコオレンジ | |||||||||||||||
イタリア産タロッコ種 |
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