●望海とは
◆望海の来歴
「望海(のぞみ)」は愛媛県松山市の吉井勇滋氏が発見した「カンキツ口之津24号」の枝変わり種です。
吉井氏が松山市内の苗木業者から仕入れた「カンキツ口之津24号」の苗木を自園に定植し育成したところ、その中に明らかに違う果実をつける枝を発見、これを試験場に持ち込み、DNA検査を受けたところ、新種であることが判明しました。当時は「カンキツ口之津24号」が「べにばえ」として品種登録されるかどうかという時期だったようですが、「べにばえ」とは果実の特性が全く違います。
「望海(のぞみ)」という名称は、”希望”をもって作っていこうという意味で『望』、そして吉井氏の農園がある浅海地区の『海』を合わせ「望海(のぞみ)」と当時JAの柑橘指導員をされていた方と命名したそうです。
品種登録はされていません。
元となった「カンキツ口之津24号」という柑橘は、「(林温州・福原オレンジ)No.9」と「アンコール」の交配から育成されたタンゴールの系統で、その後「べにばえ」として品種登録されています。
◆望海の特徴
「望海(のぞみ)」の果実は温州みかんより大きく、清見や甘平などと同じネーブル階級(S=6.1~、M=6.7~、L=7.3~、LL=8.0~、3L=8.8~)で扱われています。果形は甘平に似たやや扁平な形で、果頂部の形は平坦で、放射条溝はありません。果梗部の形は平坦で、放射条溝が少しみられます。
果皮の色は濃橙で厚さは温州ミカン程度で、手で剥きやすくいです。
果芯部の空洞は中程度ありジョウノウ膜は薄く、種子はありません。
◆実際に食べてみた望海の食味
撮影試食した「望海(のぞみ)」は2022年12月24日に愛媛県内の直売所、JA太陽市(おひさまいち)にて購入した12個入り/3kg 箱です。サイズは1個当たり250gほどで2Lサイズとのことです。
果実は大きなみかんといった感じで、皮は向きやすく、ジョウノウはそのまま食べても気にならないほどの薄さでした。
甘味と程よい酸味もありとても美味しいみかんです。サジョウの粒が柔らかすぎずプリッとしていて舌触りも良いです。
計った糖度は12.3%ほどでしたが、吉井さんによると糖度はM~Lサイズの方が味が良い傾向があり、平均で13%以上になるという事でした。
●望海の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「望海(のぞみ)」は現在育成者の吉井農園と、穂木を譲渡した愛媛県内の小森農園でしか栽培されていないとのことです。
吉井氏は本種の美味しさを広く知ってもらいたいと、品種登録はしておらず、栽培を希望する生産者がいればいつでも穂木を提供したいと話されていました。
もしご希望される農園などありましたら当サイトまでご連絡ください。
「望海(のぞみ)」を購入したい方は、愛媛県松山市にあるJAえひめ中央 太陽市(吉井農園産)か、大洲市にある、たいき産直市 愛たい菜(小森農園産)で購入できます。また、吉井農園では地方への発送も対応されているとのことです。
◆望海の収穫時期と旬
「望海(のぞみ)」の収穫は11月25日辺りから始まり、12月中旬頃までですが、直売所には1月上旬頃まで出荷されているようです。
品種 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||||||||
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望海 |
< 出 典 >
※ 「食味が良い早生のタンゴール新品種「べにばえ」(系統番号:カンキツ口之津24号)」 果樹研究所 2004年の成果情報 農研機構
※ 取材協力 吉井農園
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