●サマーアミーゴとは
「サマーアミーゴ」は徳島県が、以前に開発し2009年に「サマーフェアリー」の後継品種として育成した夏秋に収穫できる、果形が円錐形でやや大きい四季なり性イチゴ品種です。
◆サマーアミーゴの来歴
徳島県では標高700~1,000mの山間地域で栽培し夏秋に収穫出荷できるイチゴとして「サマーフェアリー」を開発し2009年に品種登録され、これまで夏秋イチゴの主力品種として来ました。しかし、「サマーフェアリー」がうどんこ病に弱いことや果実の大きさ、色味などに問題が生じやすいことなどから、後継品種として「サマーアミーゴ」を育成した。育成の過程は下記の通り。
2005(平成17)年 徳島県立農業研究所三好分場(徳島県三好市池田町)において「徳系 2号」(「みよし」×「久留米 48号」)×「サマーベリー」の実生選抜株に「サマーフェアリー」を花粉親として交配。
得られた約 400個体の実生の中から四季成り性でうどんこ病に比較的強いと思われた4系統を選抜。
2006(平成18)年 交配番号「05-1-1」を選抜し、イチゴ「徳 系 9号」とする。
2007~2008(平成20)年 特性調査及び現地の適応性試験を実施。
「サマーフェアリー」より、どんこ病に耐病性、多収性、果形が円錐で果実の光沢、日持ち性等の優れた形質を備えていることが確認できたことから「イチゴ徳島池田 3号」とし育成を完了
同年、種苗法に基づく品種登録を出願。
2011(平成23)年 品種登録完了。
名称は、この夏秋イチゴが少しでも皆さんに親しんでもらえたらという願いを込めて夏のサマーに、スペイン語で友達という意味のアミーゴを付けたそうです。
◆サマーアミーゴの特徴
「サマーアミーゴ」の果実は「サマーフェアリー」よりはやや大きいとなっています。果形は円錐で果皮色は赤色で光沢があります。
果実は硬めで日持ち性、輸送性に優れ、食味、香りが良いいちごとなっています。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の縦横比は同等、果実の大きさはやや大、果形は円錐、
果皮の色は淡紅~赤、果実の光沢は強、そう果の落ち込みは落ち込み小、
がく片の着き方は反転、果径に対するがく片の大きさは同等、
果実の硬さは硬、果肉色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は無~極小、季性は四季成りである。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたサマーアミーゴの食味
撮影試食した「サマーアミーゴ」は6月24日に届いた徳島県のうえだ農園さんの贈答用大(7L以上12粒入り)です。
夏いちごと言えば比較的小さめのものが多いイメージだったので、箱を開けてイチゴの大きさにびっくりしました。中には1個78.5gもある大きなものもありました。
そしてもう一つ、香りが良くとても強く感じられたことです。
食べてみると、甘さはそこそこありますが、酸味もそれなりにあり、また、果汁が多くとてもジューシーだったことから、甘さの面では実際の糖度よりも薄く感じ、夏いちごにしては甘い方という印象でした。計った糖度は11.8~12.5%でした。
それにしても、イチゴらしい華やかな香りが強く、これならば甘味は砂糖などで加えることができるので製菓の材料としては十分使えるイチゴだと感じました。
●サマーアミーゴの主な産地と旬
◆主な産地
サマーアミーゴは徳島県で育成されたオリジナル品種で、徳島県内でのみ栽培されています。
県内の主な産地は標高700~1,000mの東みよし町です。
◆サマーアミーゴの収穫時期と旬
サマーアミーゴは四季なり性のいちごで、夏から秋にかけて収穫出荷されています。
中でも6月~7月上旬頃と、10月下旬~11月頃は甘みが比較的強いそうです。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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サマーアミーゴ |
< 出 典 >
※ 「四季成り性イチゴ新品種”サマーアミーゴ”の育成」徳島県立農林水産総合技術支援センター研究報告 No.l p.19~28 2014年12月
※ 「登録番号20813 サマーアミーゴ」 農林水産省品種登録データベース
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