ランブータン(Rambutan):特徴と産地や旬
●ランブータンの分類と特徴
◆ランブータンとは
分類:ムクロジ目 > ムクロジ科 > ランブータン属
学名:Nephelium lappaceum L.
英名:Rambutan 仏名:ramboutan
ランブータンは東南アジアが原産とされ、ライチと同じムクロジ科の果実です。名前はマレー語で「毛」を意味する”rambut”に”~an”を付けた、「毛の生えたもの」に由来しています。 ベトナム語でも「毛がびっしり生えている」ことを意味する”Chôm chôm”(チョムチョム)とよばれています。
雌雄異株と雌雄同株がありますが、栽培上同株の木の品質が良い物を選抜し接ぎ木などでクローン増殖されてきたものが多く、タイなどの東南アジアには200種を越える品種があるようです。
◆ランブータンの特徴
日本に輸入されている一般的なランブータンの実の形は、赤い果皮に緑の柔らかいひげが生えており、一見ウニを思わせます。果肉はライチと似ていて、白く、半透明で、真ん中に種があります。
味は柔らかい甘みと、それを引き立てる優しい酸味があります。
タイなど東南アジアではその他にも黄色い果皮のものやヒゲ状のものがとても短いものなどもみられ、食味も酸味が強い物や甘味がとても強いものなど品種によって違いがあるようです。
ランブータンの実を半分に切った断面は外側のヒゲの生えた果皮の内側に乳白色の果肉(仮種皮と呼ばれる、胚珠の胚柄から肥大成長した肉質部分)があり、その中心に種が入っています。
●ランブータンの選び方と保存方法
◆ランブータンの選び方
通常袋かパックに詰められて売っていると思いますが、果皮表面をみて濡れているものは避けましょう。濡れる原因には二通りあり、一つは冷蔵庫から出した時に結露し、その水滴でぬれる場合。ただの水ですが、果物は表面が濡れることで痛みが早くなります。次は果皮が裂けて果汁が染み出している場合。避けているものはもちろんですが、他の果実まで傷み始める原因となります。
なるべくヒゲの色が鮮やかなものが新鮮です。
◆ランブータンの保存方法
ランブータンは追熟しないので、買ってきたら乾燥しないようにビニールやポリの袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れてください。なるべく早く食べて、生の新鮮な美味しさを楽しみましょう。買ってきたものの千度にもよりますが、長くても1週間が限度だと思います。
冷凍保存も可能です。ただし、急速冷凍に限ります。解凍は皮ごと流水解凍するか、冷蔵庫で自然解凍します。
◆実際に食べてみたランブータンの食味
ランブータンの食味はライチに似た食感ですが、ライチより果汁は少なめで、果肉も少ししっかりとしています。
香りはあまりなく、甘味が強く優しい酸味がそれを支えている感じです。
食べ方は、表面の皮にナイフで浅く切り込みを一周入れると、指先で皮がはずせて、中からつるっとした半透明の果肉をむき出しにすることができます。
種の周りに薄い渋皮があり、これが果肉と密着していて綺麗に剥がれないので、これごと食べる人が多いです。タイなどの産地では細長く、少しカーブが付いた専用のカービングナイフのようなものを使って、軸が付いていた上の部分から差し込み、種の周りに沿ってぐるりと切り込みを入れて少し果肉が付いた渋皮ごと種を抜き出して食べることが多いです。
●ランブータンの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ランブータンの主な産地はタイやベトナムなど東南味がをはじめ、インドやスリランカ、それにカリブ海諸国やメキシコなど赤道に近い熱帯地方です。
主産地であるタイやベトナム産は、ミカンコミバエの問題で検疫上青果での輸入が禁止されているため、冷凍品かシロップ漬けの缶詰などに限られ、青果で輸入されているのはメキシコ産やホンジュラス産が多い。
◆ランブータンの収穫時期と旬
ランブータンは冷凍ものや缶詰は年間を通じて流通していますが、フレッシュのものは極わずかしか出回っていません。
ランブータンの収穫時期は6~8月頃と11~1月頃の年に2回で、青果品はその時期に輸入されたものが少量出回ります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ランブータン |
●ランブータンに含まれる主な有効成分とその働き
◆ランブータンにはビタミンCが豊富に含まれています。
生のランブータンはビタミンCを100g中30mg(※1)含んでいます。ビタミンCは美容や風邪などに対する免疫力を高める効果があります。
◆ランブータンの可食部100gあたりの成分
下の表は米国農務省が公表しているFoodData Centralのシロップ漬けの缶詰のランブータンに含まれる栄養成分です。
それぞれの栄養成分の働きはその成分をクリックすれば各栄養素のページに移ります。
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | コレステロール | 食物繊維 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
82 kcal |
78 g |
0.65 g |
0.21 g |
20.9 g |
0.23 g |
0 | 0.9 g |
ビタミン | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
カロテン | B1 | B2 | ナイアシン | B6 | 葉酸 | パントテン酸 | C |
2 μg |
0.013 mg |
0.022 mg |
1.35 mg |
0.02 mg |
8 μg |
0.018 mg |
4.9 mg |
無機質 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
11 mg |
42 mg |
22 mg |
7 mg |
9 mg |
0.35 mg |
USDA FDC Published:4/1/2019より |
< 出 典 >
※ USDA FDC Published:4/1/2019
※1 「Rambutan」Morton, J. 1987. Rambutan. p. 262–265. In: Fruits of warm climates. Julia F. Morton, Miami, FL. Horticulture & Landscape Architecture 米パデュー大学