カラマンダリン:来歴や特徴と産地や旬
●カラマンダリンとは
◆カラマンダリンの来歴
「カラマンダリン」はミカン科ミカン属の柑橘で、正式には「カラ」という名称が付けられています。カリフォルニア大学のフロスト博士が、「尾張系温州ミカン」と「キングマンダリン」を交配し育成して1935年に生まれたみかんの一種です。
日本での栽培はかなり早く、昭和30年に田中長三郎博士が種子を導入し三重県で栽培をはじめたのがはじめだとされています。他の温州ミカンなどと比べ熟すのが遅く、4月頃に収穫し、酸を落ち着かせてから5月頃出荷する極晩生種のミカンです。
市場には「カラマンダリン」の他、単に「カラ」「カラ・みかん」「カラオレンジ」などの名称で出荷されています。
また、「南津海(なつみ)」は「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」とを交配し生まれた実生から育成されたとされています。
◆カラマンダリンの特徴
「カラマンダリン」は見た目が「温州ミカン」に近く、大きさも同じくらいです。表面が少しデコボコしている物が多く、見劣りしがちですが、食べてみるとこれが意外に濃厚な甘味とそれを支えるしっかりとした酸が感じられ、とても美味しい。皮はミカンのように剥きやすく、ジョウノウも薄く「温州ミカン」のように食べられます。
様々な柑橘類の中では、最も樹になっている期間が長いため果汁がとても濃厚で、しかもジューシーです。
中のサジョウは「温州ミカン」に近く赤橙色で柔らかく糖度が高い傾向があります。ただ、種があるので食べる時は注意が必要です。
「カラマンダリン」は「温州ミカン」と食味や食べ方に共通点が多く、「温州ミカン」のシーズンが終わってから旬を迎え、しかも甘味酸味が濃厚で美味しいのでみかん好きにはお勧めの柑橘です。
●カラマンダリンや南津海の選び方と保存方法
◆選び方
全体に艶があり、大きな傷や傷んでいる部分がないかを確認します。手に持ってみてずっしりと重く感じるものを選びましょう。
◆保存方法
2~3日であれば風通しのいい室内に置いておきても大丈夫ですが、少しでも長く保存したい場合は乾燥しないよう、ポリ袋などに入れてから冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。
●カラマンダリンや南津海の美味しい食べ方
◆みかんと同じように手で皮を剥いて食べる
「カラマンダリン」の皮は「温州ミカン」に比べやや厚みがあり、凸凹した感じではありますが、手で簡単に剥くことができます。
ジョウノウ膜は栽培環境などによってやや厚く感じるものから薄いものまでありますが、通常はそのまま食べることができます。
◆ジュースにしても美味しい
「カラマンダリン」は糖度酸度ともに多く、絞ってジュースにしても味が濃厚で美味しいです。香りもよく、ジュースを使ってシャーベットやゼリーにするのもお勧めです。
◆実際に食べてみたカラマンダリンの食味
写真のものは4月初旬に仕入れた三重県産のもので、強い甘みに負けないしっかりとした酸味がありとても美味しく感じました。糖度を計ってみたところ13.9度前後でした。
●カラマンダリンの主な産地と旬
◆カラマンダリンの主な産地と生産量
カラマンダリンは主に愛媛県で栽培されており、全国の約6割を作っています。また、当初栽培が始まった三重県や、ミカンの産地和歌山県の有田地方でも栽培されています。
愛媛県の中でも、生産量の約9割は松山市が占め、「まつやま農林水産物ブランド」に認定されています。
◆カラマンダリンの収穫時期と旬
カラマンダリンは4月の初め頃から収穫が始まり、その後2週間から1か月酸を抜くために貯蔵されて、4月下旬頃から出荷が始まります。
美味しいカラマンダリンが沢山出回る旬の時期は5月一杯です。生産量自体が少なく、産地も限られているため、旬の時期は4月下旬ごろから5月下旬頃までととても短い果物です。
カラマンダリン | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | ||||||||
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収穫時期 | ||||||||||||
食べ頃 |