オレンジの概要や品種と産地と旬

オレンジ ネーブルオレンジ ブラッドオレンジ

●オレンジの分類と特徴

◆オレンジとは

分類:ムクロジ目 > ミカン科 > ミカン属 > オレンジ

学名:Citrus sinensis (L.) Osbeck

英名:Orange 仏名:Orange

和名:オレンジ

別名:アマダイダイ(甘橙)

 一般的に「オレンジ」と呼ばれる柑橘は厳密には「スイートオレンジ」を指し、「ベルガモット・オレンジ」や「ビターオレンジ(ダイダイなど)」と区別されています。

 オレンジの原産地はインドから中国南部にかけてと考えられており、現在ではオレンジの全てのゲノム配列が解析されており、そのデータから、少なくとも 2,300 年以上前にポメロ(ザボン)とマンダリンが交雑して生まれた種間雑種に更にマンダリンが交雑して生まれたと考えられています。スイートオレンジに関するもっとも古い文献は紀元前 314 年という太古の中国のものが残っているそうです。

 その後、自然発生した突然変異をはじめ、人為的な交配や選抜淘汰などにより現在は様々な品種が栽培され、市場に並んでいます。

◆オレンジの3つのタイプとその特徴

 スイートオレンジには、バレンシアが代表する普通オレンジとネーブル、ブラッドオレンジの3つのタイプがあります。大きな違いは、バレンシアオレンジの果汁は酸味が強く、絞ったジュースの劣化が遅く、過熱しても味が安定しているのに対して、ネーブルの果汁は甘味酸味のバランスがとれていて味が濃いのですが、劣化が早く、過熱すると味も悪くなりやすいこととです。また、ブラッドオレンジはアントシアニン色素を含み、その名のごとく、果汁が紅い色をしています。

ネーブルオレンジのへそ

 また、バレンシアが夏の柑橘なのに対し、ネーブルは寒い季節の柑橘になります。外見の見分け方は、それぞれの果頂部にあり、バレンシアは普通のみかんのように茶色い点になっていますが、ネーブルは写真のように丸くへそのような形になっています。ブラッドオレンジは一般的なオレンジと同じようなオレンジ色のものと、果皮も赤色が色濃く表れるものがあります。

●オレンジの主な品種

◆普通オレンジ類

バレンシアオレンジ

バレンシアオレンジ

 世界で最も広く栽培されている品種。ただ、日本では夏の暑さで回青現象が発生しやすく、極僅かしか栽培されていません。

◆ネーブルオレンジ類

ワシントンネーブルオレンジ

ワシントンネーブル

 ブラジルのバイーア州で選抜された「セレクタオレンジ」の枝変わりとされ、多くのネーブルのルーツとなる品種。

白柳ネーブル

白柳ネーブル

 1932年に静岡県三ヶ日町の加茂吾郎氏が発見し育成したワシントンネーブルの枝変わり大玉品種

森田ネーブル

森田ネーブル

 1948年に静岡県三ケ日町の森田要市氏が発見し育成したワシントンネーブルの枝変わり晩生品種

デリッシュネーブル オレンジ

デリッシュネーブル

 品種名ではなく、愛媛県の中島で作られているネーブルオレンジのブランド名です。使用されているのは主に「白柳ネーブル」

◆ブラッドオレンジ類

モロ種ブラッドオレンジ

モロ種ブラッドオレンジ

 シシリア島で作られてきた品種で、果肉の赤い色が強く、果皮も赤い色が付いているものが多い。

●オレンジの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 オレンジは海外からの輸入物が多く、国産品はネーブルオレンジが少し作られる程度で、バレンシアオレンジは日本の気候では夏の高気温のために一度オレンジ色になったものが再び緑色になる回青現象が起こりやすいため極僅かしか生産されていません。

 輸入品の主な産地はオーストラリアやアメリカで、その他トルコや南アフリカなどからも輸入されています。

 国内の収穫量は2021(令和3)年産特産果樹生産動態等調査で見ると、バレンシアオレンジは和歌山県の321トンしか記録がなく、ネーブルオレンジは広島県をはじめ和歌山県、熊本県などを中心に全国で3,315トン、ブラッドオレンジは愛媛県や香川県、和歌山県など全国で474トンとなっています。

◆国産オレンジの収穫時期と食べ頃の旬

 国産のネーブルオレンジは12月初旬頃から下旬頃にかけて収穫され、その後一旦貯蔵されたのち、2月頃から4月にかけて出荷されます。

 バレンシアオレンジは日本での栽培だと初夏の時期に強い日差しに浴びて回青現象という、一度オレンジ色に色付いた後、再び青くなってしまう事が多いようです。

タロッコオレンジ

 国産のタロッコオレンジは2月下旬頃に収穫され、一旦貯蔵されたのち、3月中旬から下旬に多く出荷されます。

◆輸入オレンジ

 アメリカのバレンシアオレンジはカリフォルニアでは3月から収穫が始まり、国内には4月ごろから8月にかけて輸入されています。南アフリカ産は9~10月にかけて、オーストラリア産が11月から2月にかけて多く輸入されています。

 一方ネーブルオレンジはオーストラリア産が8月頃から12月頃にかけて輸入され、アメリカ産は2月頃から7月頃までとなっています。

バレンシアオレンジ 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
国産                        
アメリカ産                        
南アフリカ産                        
オーストラリア産                        
ネーブルオレンジ 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
国産                        
オーストラリア                        
アメリカ                        

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