ながさき黄金:来歴や特徴と産地と旬
●ながさき黄金の来歴と特徴
「ながさき黄金」は長崎県が、カロテノイドを含み良食味で複合病虫害抵抗性の品種の育成を目指し「インカのめざめ」をもとに育成した、塊茎は黄色、肉色も鮮やかな黄色で、でん粉価や機能性成分のカロテノイド含量が高く、良食味で、しかもシストセンチュウやY ウイルス、青枯病に強い暖地二期作に適する馬鈴薯品種です。
◆ながさき黄金の来歴
「ながさき黄金」は長崎県農林技術開発センター農産園芸研究部門馬鈴薯研究室においてカロテノイドを含み良食味で複合病虫害抵抗性の品種の育成を目指し「インカのめざめ」をもとに育成をすすめるため、もともと二倍体であるため、まずこれをチューバーディスク培養法により4倍体品種「TD0101」を作り出し、これに「サクラフブキ」の花粉を交配し、「西海35 号」を育成した。
2004年 「西海35 号」に、青枯病抵抗性があり大玉で多収の「西海33 号」(「メイホウ」×「とうや」)の花粉を交配し、得られた実生を育成、実生二次個体選抜試験で「T04051-14」の系統番号を付し選抜。
2005 年 秋作の系統選抜試験に供試。
2006 年 秋作から「愛系 151」の系統名で生産力検定試験に供試。
2007 年 春作から「長系 132 号」の系統名で、生産力検定試験および系統適応性検定試験、特性検定試験等に供試。
2008 年 「西海 37 号」の地方番号を付し、さらにおよそ6年間にわたり病虫害抵抗性や収量性などについて調査、検討。
2015年 種苗法に基づき品種登録出願、および公表。
2020年 品種登録完了。
◆ながさき黄金の特徴
「ながさき黄金」のイモは短卵形で目の深さは浅く、皮色は黄色で表面は滑らかですべすべしています。
肉色はゼアキサンチンとルテインなどのカロテノイド系色素を多く含むため黄色く、でん粉価は春作マルチ栽培で14.7%、秋作普通栽培で13.6%とやや粉質から粉質となっています。
調理加工特性では、肉色の黄色を活かした調理法に向き、特に皮付きフレンチフライなどのフライ加工適性が高いとされています。ポテトグラタンなども食感が良く、黄色い色合いが良く映えます。ただ、煮物はやや煮崩れしやすいので注意が必要です。加熱調理することにより、栗やナッツのような香りでクリーミーな風味が味わえます。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
塊茎の形は短卵形、塊茎の目の数は少
塊茎の皮色は黄、塊茎の目の基部の色は黄、塊茎の表皮のネットはかなり少
塊茎の肉色は黄
上いも重は重、上いも数は多、上いもの平均重は軽
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性は有である。
出願品種「ながさき黄金」は、対照品種「ニシユタカ」と比較して、花芽のアントシアニン着色の強弱が中であること、塊茎の皮色が黄であること、塊茎の肉色が黄であること、上いもの平均重が軽であること等で区別性が認められる。
対照品種「デジマ」と比較して、塊茎の皮色が黄であること、塊茎の肉色が黄であること、上いもの平均重が軽であること、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性が有であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
●ながさき黄金の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「ながさき黄金」の栽培適地は主に九州地域となっていますが、その他の産地でも栽培収穫は可能です。
2020年に品種登録されたばかりの新しい品種で、各地の栽培面積などは不明です。今後各地に広まっていくと考えられます。
◆ながさき黄金の収穫時期と旬
「ながさき黄金」は春作では2月中下旬植え付け、5月下旬~6月上旬収穫のマルチ栽培がお勧めとなっています。秋作の場合は8月下旬から9月上旬に植え付け、11月下旬から12月中旬にかけて収穫となります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ながさき黄金 |
。
●ながさき黄金の写真ギャラリー
撮影機材: CANON EOS R5 , SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO
ロゴなし元画像サイズ:約4500万画素 8192X5464pix 72dpi RAWデータあり
各画像をクリックしていただければ拡大画像がご覧いただけます。