ワサビ/山葵/わさび:特徴や旬の時期と主な産地
●ワサビ(山葵/わさび)とは
●アブラナ科ワサビ属
(英)Japanese horseradish(仏)Raifort du Japon
ワサビは日本原産の多年生水生植物です。山間の涼しい谷川の浅瀬に自生していますが、古来より栽培もされています。ただ、栽培に際しては水質、水温、土壌などの条件が厳しく、また、収穫できるまで日数がかかるので希少価値が高く、非常に高価なものになっています。
●実生(みしょう)系と真妻(まずま)系
「実生系」は、生育が早く植え付けてから1年~1年3ヵ月ほどで収穫できるそうです。それに対し、「真妻系」は、 生育が遅く、水を選びます。植え付けてから1年半~2年と収穫まで日数がかかり、実生ほど大きくなりません。しかし、わさびをおろすと辛味が強く、ほのかな甘味があり、よく粘ります。値が張るのもうなずけますね。
●わさび栽培発祥の地
現在わさびを栽培しているところは何か所もありますが、もともとは自生しているものを使っていたようです。江戸時代初期に静岡県の有東木で自生していたものを移植し栽培し始めたのが発祥と言われ、現在も有東木にはわさび山と呼ばれる一大産地があり全国に出荷されています。
●葉わさびや花わさびも
ワサビは根茎部分だけでなく、葉柄や花芽も収穫され、季節を感じさせてくれる食材として出荷されています。
●日本のわさびと西洋わさび
ここで取り上げているものは一般に本わさびと言われている日本のものですが、「わさび大根」[ホースラディッシュ」「レフォール」などと呼ばれる西洋わさびもあります。練りわさびなどの原料にもされており、色は白っぽいのですが味風味は本わさびと非常によく似ています。
●ワサビ(山葵/わさび)の主な産地と旬の時期
◆静岡県と長野県が二大産地
栽培されているものは本来の生育環境である沢で栽培されている「沢わさび」または「水わさび」と呼ばれるものと品種改良されて沢近くで栽培されている「畑わさび」があります。
平成27年産の統計データで見ると、水わさびは長野県と静岡県が二大産地で、全国の90%以上を生産しています。畑ワサビでは岩手県が一大産地で、全国の7割以上を生産し、次いで大分県や北海道となっています。ただ、栽培しているところは非常に少ないです。
◆ワサビの生産量ランキング
●わさびにも旬はあるの?
わさびは多年草で、その根の部分はいつでも収穫することができます。しかし、あの独特の鼻に抜ける辛味を求める意味では、寒くなった晩秋から冬にかけてが旬と言えます。また、わさびは春に花を咲かせるのですが、これも貴重な食材です。珍しさとその風味、季節感を備え、機会があればぜひ使ってみてください。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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根ワサビ | ||||||||||||
花ワサビ |