ジョアンナ:来歴や特徴と食味

ジョアンナ ジャガイモ

●ジョアンナの来歴と特徴

◆ジョアンナの来歴

 ジョアンナはフランスのジャガイモ専門の育種メーカーであるジェルミコパ(GERMICOPA BREEDING)のディレクターであるエリック・ボネール(Eric Bonnel)氏が1985年に「ニコラ」に「ハンサ」を交配し、得られた実生から選抜育成し、1993年に特性の安定が確認され育成が完了したた固定品種となっています。

 本種は日本国内でも種苗法に基づき2001年に登録出願、2004年に品種登録されています。(2021年8月に育成者権は消滅)

 なお、出願時の名称は「ジュリエット」とされています。これはジェルミコパとして扱う元の品種名と思われ、日本向けに「ジョアンナ」という名称に変えたと思われます。

◆ジョアンナの特徴

 ジョアンナの芋は細長い円筒形であまり大きくはありません。表面は目が少なく、あっても極浅い。触った感じはすべすべしており、色は比較的明るい黄金色で皮がとても剥きやすいのが特徴です。撮影したジョアンナは、この年の夏の天候の影響で肌がややあれていますが、本来はつるっとしています。

ジョアンナ ジャガイモ

 肉色は黄色く、肉質はやや粘質でのジャガイモです。

ジョアンナ ジャガイモ

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 ふく枝の長さ及びいも着生の深浅は中、長短は極長、扁平度はやや弱、形は円筒形、

 皮色は黄、目の深浅は極浅、肉色は黄、

 枯ちょう期は中、早期肥大性はやや遅、上いも重は少、上いも数は中、上いも平均1個重は極小、肉質は中である。

 「シンシア」と比較して、いもの形が円筒形であること、早期肥大性が遅いこと等で、「メークイン」と比較して、花色が白であること、いもの肉色が黄であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

●ジョアンナの食味や適した料理

◆皮ごと蒸したものと皮を剥いて茹でたもの

 写真は手前が皮ごと蒸したものを皮をむいて、手で軽く潰してみた状態です。奥は皮をむいて茹でたものです。皮ごと茹でても表面はさらっとしていて崩れていません。手前の皮ごと蒸したものを潰した様子をみてもホクホクした感じがあまりないのが分かると思います。

ジョアンナ ジャガイモ

 味わい的には、ほんのり甘味があり、ジャガイモらしい風味も強く美味しいです。軽く塩胡椒を振るだけで美味しく食べることができます。

◆ジョアンナのソテー

 茹でても崩れにくいので、硬めに茹でたものをスライスし、バターやオリーブ油などで両面焼き色が付くようにソテーするととても美味しいです。肉や魚料理の付け合わせの他、目玉焼きなどと共に朝食のプレートに添えるのもお勧め。

◆色々な煮込み料理に

 ジョアンナは粘質で比較的煮崩れしにくいジャガイモなので、シチューをはじめ色々な煮込み料理に適しています。洋食に限らず、出汁や醤油にも合います。

●ジョアンナの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 ジョアンナは海外品種ですが、国内でもいくつかの種苗販売会社が種芋を扱っており、家庭菜園で作ることもできます。

 産地化されるほど大規模に本種を栽培しているところがありませんが、北海道ではいくつかの農園が栽培し、直販をしています。

◆ジョアンナの収穫時期と旬

 北海道でのジョアンナの収穫は9月中旬頃のようです。撮影試食したジョアンナは10月中旬に届いた北海道産です。そもそもジョアンナの生産者は少なく、入手できる期間は収穫後の身時間間だけです。

品種 8月 9月 10月 11月
ジョアンナ                        

< 出 典 >

※ 「ジョアンナ【ジョアンナ】(食用作物)」品種登録データベース Weblio 辞書

※ 「登録番号12186 ジョアンナ」農林水産省品種登録データベース

※ 「JULIETTE」GERMICOPA potato varieties

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