守山矢島かぶら 近江の伝統野菜:特徴や産地と旬
●守山矢島かぶらとは
◆滋賀県守山市に伝わる「近江の伝統野菜」
「守山矢島かぶら」は現在の滋賀県守山市矢島町で古くから作られてきた地野菜「矢島かぶ」で、近江カブラと聖護院カブラの交雑種と考えられているとのことです。(太田種苗のホームページより)
土地に伝わる由来には、永禄年間(1560年頃)に織田信長が矢島町にあった寺院を焼き討ちした後、その土地にカブの種をまいたところ彩の良いカブができたという説があります。また、『昔むかし、通りかかった殿様が形のおもしろさと味の良さに感動して「矢島かぶら」と名付けた』という言い伝えもあるそうです。
そういった言い伝えのある野菜ですが、矢島地区でも生産者の高齢化が進み、作る農家がいなくなっていた時期があったそうです。
2009年頃になって、このカブを残したいという有志が栽培をはじめ、それが徐々に広まり、2016年には「守山矢島かぶらの会」が立ち上げられました。また、守山市の「もりやま食のまちづくりプロジェクト」としてJAおうみ冨士や守山商工会議所、立命館大学などと連携し、伝統野菜としてブランド化もすすめられました。
そして2017(平成29)年度には「弥平とうがらし」などと共に滋賀県の「近江の伝統野菜」にも認定されています。
◆守山矢島かぶらの特徴
「守山矢島かぶら」の大きさはコカブほどで、やや扁平な丸型から先が細くなる円錐形をしています。株の上部(植わっている状態で地上に顔を出している部分)は紫色で、下部は真っ白です。葉柄も濃い紫色なのも大きな特徴です。
かぶの表面は2色に分かれていますが、色がついているのは表皮のみで、中の果肉自体は真っ白です。
生のままかじってみると、ほんのり甘味があります。
◆守山矢島かぶらの収穫時期と旬
収穫は11月中旬頃から3月頃まで行われ、旬の時期は12月から2月です。
品種 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | ||||||||||
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守山矢島かぶら |
●守山矢島かぶらの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
かぶは生でも味噌をつけて食べたり、サラダでも美味しく食べられますが、葉はやや硬く生はお勧めしません。
◆主に漬物に
浅漬けの他、葉も一緒にしっかりと漬物にすると葉からも色が出て綺麗な漬物に仕上がります。
◆汁ものに
みそ汁などの汁ものにもお勧め。葉や軸も柔らかい部分なら使えます。
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