レッドムーン<ジャガイモの品種
●レッドムーンとは
◆サカタのタネによって育成された家庭菜園向きの品種
レッドムーンは株式会社サカタのタネによって、パン アメリカン シード(株)(アメリカ合衆国)から導入した種子から選抜・育成された固定品種で、1988(昭和63)年に品種登録に出願され、1991(平成3)年に登録されました。出願時の名称は「レッド エコー」だったそうです。
イモの皮が赤く、肉質は粘質のイモで外見から、「紅メークィン」または「紅じゃがいも」とも呼ばれています。
品種の特性上大規模性産には不向きで、小規模の農園や家庭菜園向きの品種となっています。その為、市場に出回る量は多くはありません。
◆レッドムーンの特徴
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----いもの長短はやや長、形は楕円形、皮色は赤、表皮の粗滑はやや滑、目の数及び深浅は中、肉質は黄である。休眠期間は短、耐乾性は中、初期生育はやや速、早期肥大性はやや遅、上いも重はやや少、数はかなり多である。でん粉重及び貯蔵性は中、でん粉価は低、白度はやや低、肉質は粘、黒変及び煮くずれの程度は微である。-----』 以上抜粋
レッドムーンの形はメークインのような楕円形で表面も同じように比較的つるっとしています。大きな違いはその色で、皮がサツマイモのような赤い色をしています。
肉質は黄色く、デンプン価が低い粘質で煮崩れや黒く変色しにくいイモです。
◆実際に食べてみた食味
表皮の赤色に対し、中は濃い黄色で、茹でた後の肉質はホクホク系でなく、粘質です。表皮の色だけでなく、味も特徴的で、ジャガイモよりサツマイモを思わせるようなコクと優しい甘みが感じられます。男爵やメークインなどとは明らかに違った風味のジャガイモです。
◆適した料理
レッドムーンは粘性が高く少々煮込んでも煮崩れしにくいので、肉じゃがをはじめシチューやカレーなどにも適しています。その他、炒め物でも崩れにくいので綺麗に仕上がります。
ほんのりと甘味もあり、肉色も黄色いので、ポタージュにしても舌触りが滑らかで美味しいです。