かつお菜/勝男菜:特徴や産地と旬の時期
●かつお菜とは
◆福岡で作られてきた「高菜」の仲間
かつお菜は古くから福岡で作られてきたアブラナ科の葉野菜で、「高菜」の近縁種とされています。
旨みが多く含まれ、カツオの出汁が無くても美味しいという事からカツオ菜と呼ばれるようになったとも言われています。また、漢字ではで「勝男菜」と書くことから縁起物として正月には博多の雑煮には欠かせない野菜の一つとされてきました。
通常、収穫は株ごと収穫するのではなく、大きく成長した下葉からかき取られ、束にした状態で店頭に並びます。また、秋に栽培過程で間引かれた物が「ハザ」として数株をまとめて袋などに詰められて出回ります。
◆かつお菜の特徴
葉や株の形状は「高菜」とよく似ています。葉は40~50cm程の長楕円形になり、その表面は細かく縮れた感じになっています。十分に成長したものは軸の部分が白っぽく幅広になります。
葉にはアクが少ないうえ、「高菜」のような辛みもなく、煮ると旨みが多く、ほんのり甘味が感じられます。
◆かつお菜の栄養
かつお菜は緑黄色野菜の一つとしてβカロテンを多く含むほか、ビタミンCも多く、抗酸化性の高い野菜です。また、他の葉野菜の中ではカルシウムを多く含んでいる上、名前の由来となる旨み成分のグルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸を多く含んでいます。
●かつお菜主な産地と旬
◆主な産地
主な産地は福岡県です。かつては盛んに作られていたようですが、小松菜やホウレン草などに転換が進み、福岡でも正月向けにしか作られなくなったため、その生産量は激減しました。近年、全国的に伝統野菜を見直す動きが盛んになり、このかつお菜も復興活動が行われているようです。
◆かつお菜の収穫時期と旬
かつお菜自体は春蒔きと秋蒔きが可能で、収穫時期は初夏と冬ですが、冬の物の方が葉に厚みが出て旨みも多く感じられます。また、主に正月の雑煮向けに栽培されることもあり、食べ頃の旬は12月から1月となります。
また、10月下旬から11月の中旬辺りまでは間引きされた若い株が「ハザ」として出回り、これも柔らかく美味しいです。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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かつお菜 |